コロナ禍、60日の疎開生活で強まった「人中心」の思い<詳報トヨタ社長(1)>

2020年7月7日 05時55分
<豊田章男社長インタビュー詳報(1)>
ーー新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言発令後、豊田氏は愛知県内にある自社研修施設にこもり、経営にあたった。

本紙のインタビューに笑顔を見せるトヨタ自動車の豊田章男社長=名古屋市で


 ◆「幸せの量産」忘れない
【豊田氏】60日くらい「疎開」していました。移動時間をコミュニケーションに振り替えられるようになって、仕事は進んでいるんですよ。年に1回会えたかどうかの人も(オンラインで)会える。気持ちの距離は近づいている気がします。
 生活は合宿みたいでした。スーパーに行っても、マスクしてるから誰も気付かない。地元民から評価の高いスーパーは、実際に行ってみて分かった。精肉店の大将と話すだけで気付きもあった。ファストフード店では、セットメニューで「スープラ」のミニカーをもらった。
 私の趣味は、動いてやることばかり。車の運転とか、どこか行くとか。「静」の趣味がないから、手っ取り早く、塗り絵とか毛筆とか、夢中でやって集中できた。
 思いが強まったのは、やっぱり「人中心」だなと。先端技術・技能が出てきても、使い手である人間の幸せを量産できる要素は忘れちゃいけない。どれだけ便利になっても、人をど真ん中に置くことこそ、自動車をずっとやってきた会社の役割だと思います。
 環境規制に加え、SDGs(国連の持続可能な開発目標)が出てきて思うのは、誰もが同じ地球に住んでいること。そうなると、われわれはこの地域だけというより、プラネット、地球全体(を俯瞰して見る)「ホームプラネット」という考え方で、認められる会社になろうという気持ちが強まりました。

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