軽度の尿漏れ、体操で改善 女性の4人に1人が経験

2020年7月7日 07時20分

模型を使って骨盤底筋(一番下のオレンジ色の部分)などの働きを説明する渡辺さん=名古屋市の名鉄病院で(一部画像処理)

 女性の四人に一人が経験する「尿漏れ」。恥ずかしいからと受診を避けたり、「年のせい」と放置したりしがちだが、治療を受ければ治る可能性がある病気だ。タイプによるが、軽度なら体操だけで改善が見込め、若いほど治療の効果も高い。専門家は、女性泌尿器科を受診するなど早めの対処を呼び掛けている。(小中寿美)
 愛知県内の女性(50)は、昨秋から尿漏れに悩むように。くしゃみをした時や趣味のバレーボールでジャンプする時に漏れるほか、トイレにたどり着く前にどっと出ることもある。今年三月、名鉄病院(名古屋市西区)の女性泌尿器科・ウロギネセンターを受診した。
 同センター長の成島雅博さん(62)によると、尿が意図せず漏れることを医学的に尿失禁という。女性に多いのは、せきやくしゃみなどおなかに力がかかった時に漏れる腹圧性尿失禁、尿がしたくなりトイレに行く途中で漏れる切迫性尿失禁、両方を併せ持つ混合性尿失禁の三つだ。
 全体の半数は腹圧性尿失禁で、混合性を含めると八割に上る。膀胱(ぼうこう)や尿道などを支えるハンモック状の「骨盤底」が妊娠や出産、加齢で傷むのが主な原因だ。尿道がぐらつき、腹圧がかかった際に開きやすくなる。治療はまず、骨盤底の筋肉を鍛える体操を行う=図。効果が見られない時は尿道などの筋肉に働きかける薬を併用。それでも改善しなければ、骨盤底筋を補強する手術を検討する。
 切迫性尿失禁は過活動膀胱の一種で、七十代以降に多い。薬による治療がメインだが、尿を一定の時間、我慢するトレーニングや骨盤底筋体操も併用する。
 腹圧性尿失禁の場合、正しく体操をすれば約三カ月で四割の患者が改善を期待できる。ただ「自力で習得できる人は二〜三割という報告もある」と成島さん。同センターは体操の教室や個人指導外来を開き、専門の看護師や理学療法士が適切な方法を教えている。
 混合性と診断された女性は薬の服用とともに、四月からは個人指導外来を利用する。この日、理学療法士の渡辺日香里さん(28)は骨盤底筋の収縮を膣圧計で測定するなどして「ちゃんとできています」と評価。毎日続けるよう促した。カフェインを控えめにする、体重の増加を抑えるなど生活上の注意点も指導した。
 尿漏れ専用パッドを二十数年前から販売するユニ・チャーム(東京)によると、専用品の市場は過去十年で四倍近くに拡大した。生理用ナプキンのような薄型や、尿漏れ対応のおりものシートなどニーズに応じた商品を展開する。同社が運営する啓発サイト「尿もれケアナビ」では、質問に対する専門医の回答や受診に役立つ情報も紹介する。
 尿漏れや骨盤臓器脱の元患者でつくる「ひまわり会」(大阪)は十三日から、同病院や岐阜赤十字病院(岐阜市)など全国の医療機関など十六カ所で無料電話相談を行う。施設と日時はホームページに掲載。
 体操の動画はこちらから見られます。

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