<新型コロナ>不安と隣り合わせ 横浜の事業所、支援訴え 「デイサービスは不要不急じゃない」

2020年7月7日 07時25分

吉永さん(左)のおしゃべりに耳を傾けるホームヘルパーの水口さん=いずれも横浜市南区で

 新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除された後も、介護の現場は感染への不安と隣り合わせの状況が続いている。新型コロナの影響で利用者が減るなどして収入が減った事業所もあり、「不要不急ではない介護の現場に支援を」との声が上がっている。(石原真樹)
 「おにぎりはここに置いて。ゆで卵もね」。六月中旬のある日の夕方、横浜市南区の吉永一さん(80)は、自宅を訪れたホームヘルパーの水口美穂子さん(27)に話し掛けた。
 水口さんは三十分の滞在時間で、夕食と朝食用のおにぎりをベッドの近くに準備し、ポータブルトイレを掃除し、買い物も済ます。糖尿病などを患い半年前に転倒して歩けなくなり、ベッド周辺でほぼ一日を過ごす吉永さんにとって、ホームヘルパーは頼みの綱だ。
 水口さんが働く介護事業者「コミュニティ」(同区)は、感染が拡大した四〜五月も訪問介護やデイサービスを続けた。感染への不安はあったが「利用者さんを孤立させるわけにいかない」という思いが勝ったと工藤秀雄社長(69)は振り返る。
 利用者、職員とも検温や手指消毒を徹底し、職員には日常生活で外出しないよう言い続けた。「小姑(こじゅうと)のようだった。みんなストレスがたまったと思う」と工藤さん。だから職員に報いたいが、感染を心配して利用を控えた人がいて売り上げは減少。銀行からの融資で給与を減らさずに済んでいるが「この状況が続けば、難しくなる」と明かす。
 一時期に比べれば県内の新規感染者は減っている。しかし、コロナの第二波に加え、熱中症やインフルエンザなど不安は尽きない。「付け焼き刃的な支援でなく、介護報酬の見直しなど根本的に考えてもらわないと、介護が崩壊する」と訴える。
 休まざるを得なかった事業所もある。リハビリに力を入れるデイサービスの介護事業所「nagomi横浜弘明寺店」(同区)は四月、スタッフの家族が発熱し、念のために二週間休業した。
 この間、デイサービスの代わりにスタッフが利用者に電話して運動を続けるよう指導したり、希望者を系列店に送迎したりした。それでも、同月の売り上げは前年の半分に落ち込んだ。
 六月に入ると、多くの利用者が再び訪れるようになったが、二カ月通所を控えた人は体がふらつくなど衰えがみられたという。横山祐貴施設長(32)は「皆さんが体力を維持することが、結果として医療を守ることにもなる。デイサービスは不要不急じゃない。このことを世間にもっと知ってほしい」と訴えた。

利用者を楽しませようと手作りしたマスクを持つコミュニティの工藤社長(左から2人目)

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