花見てストレス緩和、科学的に実証 農研機構と筑波大の研究チーム

2020年7月7日 07時38分

モニター画像で花の画像を見る実験(農研機構提供)

 きれいな花を見て、リラックスしよう。花の観賞は人間の脳に影響を与え、ストレスで上昇した血圧やストレスホルモンの値を低下させることを実証した、と農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、つくば市)と筑波大の研究チームが発表した。チームは今後、花の種類による効果の違いや健康維持に応用する方法を調べていく。(宮本隆康)
 農研機構によると、森林を散歩したり、緑の木々の写真を見たりすると、ストレスが軽減されることは明らかになっている。しかし、花の観賞による軽減効果は十分に検証されていなかったという。
 研究チームは、平均年齢二十代の男女約三十人に、ストレスを与えるため、ヘビや交通事故などの不快な画像を提示。その後に花や青空、いすなどの画像を見てもらうことを繰り返すなどした。ストレスで上昇する血圧とホルモン、脳の活動の変化を調べた。
 不快な画像を見て上がった血圧は、花の画像を見た後で最も下がった。一番高くなった時に比べ、平均で3・4%の低下で、いすの画像の2・4%、青空の2・2%を上回った。
 ストレスによって上がるホルモン「コルチゾール」の値は、花の画像の提示後に約21%減ったが、他の画像を見た後では減少しなかった。
 脳の活動は磁気共鳴画像装置(MRI)で測ると、花の画像の提示後、海馬と扁桃(へんとう)体の活動が低下していた。海馬は記憶、扁桃体は情動に関わる領域。不快な記憶が抑制され、嫌な情動が減り、活動が低下したと考えられるという。
 ストレス軽減の理由について、研究チームは「花の画像に引きつけられ、ストレスの源の不快な画像から意識がそれたため」とみている。
 今後は、花の種類や色などによる効果の違いも調べる。うつ病や心臓血管病リスクの低減など、健康に生かせるかも検証する。
 担当の望月寛子研究員は「男女差はあまりなく、個人差も予想より小さかった。花の画像を見る手軽な方法を、日常のストレスの対処法として試してもらえれば」と話している。

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