九州豪雨、温泉旅館に土砂流入 避難所冠水「胸の高さまで」

2020年7月8日 06時00分
 記録的な豪雨が続く九州北部では7日、河川の氾濫や土砂崩れが各所で発生した。胸まで水に漬かって救助を待った女性は「怖かった」と声を震わせ、温泉旅館にも土砂が流入。孤立した地区で避難所に身を寄せた住民は疲れ切った表情を浮かべた。

豪雨で浸水被害を受けた大分県日田市の天ケ瀬温泉の旅館で、ロビーに流れ込んだ土砂を片付ける従業員ら=7日午後5時33分

 「あちこちで土砂崩れが起きていて、集落が孤立している」。大分県九重町の野上地区で林業を営む工藤洋一さん(65)は、会社の重機で道路を片付ける作業に追われた。近くの小学校も浸水し、体育館に避難していた住民は工藤さんの会社に移った。野上公民館も土砂崩れに巻き込まれたが、町によると避難者3人は無事だったという。
 同県日田市の玖珠川沿いに並ぶ温泉旅館は、どこも土砂が流入。女性従業員は「あっという間に川の水が押し寄せてきて2階に逃げた。水が引くと、1階は冷蔵庫や家具が散乱し、泥だらけだった」と振り返る。
 福岡県大牟田市も広範囲に冠水し、小学校や公民館に避難した住民が孤立。朝から自衛隊が救助に当たった。隊員が膝上まで水に漬かりながらボートを引いて住民を搬送した。救助された女性は「水が胸の高さまで来てすごく怖かった」。
 長崎県でも土砂崩れや浸水が相次いだ。佐世保市大黒町では6日深夜、青果店の裏山が幅約10メートルにわたって崩れ、店が全壊。近くの自宅にいて無事だった店主の成沢洋一さん(72)は「ドンという音がしたので店の方を見たら崩れ落ちていた。けが人が出なかったことだけが幸い」と疲れ切った様子で話した。

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