コロナ禍と代議制

2020年7月8日 07時23分
 新型コロナウイルスの感染拡大は、議会審議の在り方を問う機会になった。感染の恐れがある密集状態を避けて審議するにはどうしたらいいのか、法案の可否などの議決はどういう状況なら可能なのか、である。
 憲法五六条は、(衆参)両議院は、各々(おのおの)その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない、と定める。審議や議決をする国会議員の「出席」は議場に集まることを前提としてきた。
 このため、オンラインでの審議や議決は国会では認められておらず、地方議会でも、委員会では認められるようになったが、本会議では依然、原則として認められていない。
 とはいえ「出席」には、さまざまな解釈があるようだ。「その場に見える形で物理的に存在する必要がある」(長谷部恭男早稲田大教授)「『出席』は本会議場に集まることに限らない」(宍戸常寿東大大学院教授)という両論が、本紙にも紹介されている。
 この問題は突き詰めれば、選挙で負託された民意を代表するとはどういうことか、民意をどうやって表現するのか、に行き着く。
 個人的には、議員の本人確認やセキュリティー対策を厳格にした上でオンラインなど遠隔での審議や議決を可能にすべきだと思う。
 どんな状況でも代議制民主主義は生きている。そのことが結局、災害など緊急事態への対応も強くすると信じる。 (豊田洋一)

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