空き缶で「サバメシ」 2つ重ね、コンロと釜に

2020年7月8日 14時59分

<震災サバイバル 記者が体験>


(2012年4月5日東京新聞に掲載 )

空き缶でごはんを炊くサバメシに挑戦=茨城県つくば市で

 災害時の温かい食事は、身も心も癒やしてくれる。そこで役立ちそうなのが「サバメシ」。といってもさば飯にあらず。サバイバル・メシタキの略で、空き缶と紙パックで米を炊く方法だ。
 考案した防災科学技術研究所(茨城県つくば市)の研究員内山庄一郎さん(33)を訪ねた。まず、2つのアルミ缶の上ぶたを缶切りで取る。1つはコンロ。カッターで上下に2カ所ずつ、計4カ所の穴(縦1.5センチ、横3センチ)を互い違いになるように開ける。
 もう1つは釜。米と水を入れ、2つ折りにしたアルミホイルで、中心を少しへこませるようにしっかりとふたをする。災害時の水は貴重なので洗米はしない。燃料の紙パックは幅1センチの短冊切りに。
 いよいよ炊飯。コンロに燃料を3枚入れ、火を付ける。缶の外側は見る見る真っ黒に。上に釜を載せ、ほっとしたのもつかの間、火が消えた。「燃料は上の穴から、5秒に1枚のペースで投入を」と内山さん。足りないのも入れすぎも駄目だ。
 8分後、軍手をしてふたに手を当てると、ぐつぐつという音と振動が。沸騰してきた。16分後、アルミホイルのふたが膨らみ、すき間から水泡が出てくる。音はだんだんと小さくなり、21分ごろには消えた。

空き缶でふっくらとおいしく炊けたごはん

 最後は一気に5枚入れ、強火で1分。完全に水がなくなり、カチンカチンと米が割れる音も。釜を逆さにして蒸らし、23分ほどで出来上がった。ふっくら炊けたご飯はおいしく、底にできた焦げが香ばしかった。
 防災イベントで人気のサバメシを無事に習得。だが意外にも「アルファ米など非常食の方が便利で実用的」と内山さん。サバメシは、親子で楽しめる体験を通じて、防災意識を高めてもらう狙いで始めたという。「身の回りのものを使い、災害時に知恵と工夫で生き残る強さを身につけてほしい」。確かに、炊飯器に頼ってきた記者には新鮮な経験となった。 (発知恵理子)

関連キーワード

PR情報

ライフの最新ニュース

記事一覧