河井夫妻を2900万円の買収罪で起訴 地元議員らの刑事処分は見送り 東京地検

2020年7月8日 19時41分
 昨年7月の参院選を巡り、広島県内の地元議員ら100人に計約2900万円を渡したとして、東京地検特捜部は8日、公選法違反(買収、事前運動)の罪で、前法相の河井克行容疑者(57)=自民を離党、衆院広島3区=と妻で参院議員の案里容疑者(46)=同、広島選挙区=を起訴した。買収総額を逮捕容疑から6人分、約330万円増やした。一方で現金を受け取った疑いがある地元議員ら全員の刑事処分を見送った。

◆克行氏を「統括主宰者」と判断


 特捜部は克行前法相について、選挙運動を取り仕切った「総括主宰者」に認定。公選法は総括主宰者の法定刑を、一般の買収より重い4年以下の懲役か禁錮、または100万円以下の罰金と定める。当選人と総括主宰者は、いずれも起訴から100日以内の判決を目指す「100日裁判」の対象で、夫妻の審理は迅速に進められる。
 夫妻はいずれも裁判で有罪が確定すれば失職し、案里議員は有罪確定なら当選も無効となる。

◆「起訴するべきものを起訴」


 特捜部幹部は、地元議員らの刑事処分を見送った理由を具体的に説明せず、「起訴するべきものは起訴した」とだけ言及。夫妻から一方的に現金を渡されたとされることや、辞職や返金などの対応を取ったことを考慮したとみられる。
 起訴状によると、克行前法相は案里議員が参院選への初出馬を表明した直後の昨年3月下旬~8月上旬、票の取りまとめを依頼する趣旨で、広島県内の地方議員や首長、後援会・陣営関係者ら97人に、123回にわたり計約2730万円を提供。案里議員は昨年3月下旬~6月中旬、克行前法相と共謀し、5人に170万円を配ったとされる。
 配布先のうち2人は重複。公示前の買収については、公選法が禁じる事前運動にも当たるとした。

◆夫妻は否認


 案里議員の弁護人は8日、東京地裁に保釈を請求。克行前法相側は9日にも、保釈請求するとみられる。
 関係者によると、克行前法相は調べに、現金配布の大半を認めた上で「買収の意図はなかった」と起訴内容を否認。案里議員も「違法な行為をした覚えはない」と否認している。

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