駆け付けたいのに待機 九州豪雨、コロナで他県のボランティア団体苦悩

2020年7月9日 06時00分
浸水被害を受けた福岡県久留米市の住宅地=8日

浸水被害を受けた福岡県久留米市の住宅地=8日

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 九州の記録的豪雨で、普段ならすぐに被災地に駆け付ける各地のボランティア団体が待機を余儀なくされている。新型コロナウイルスの影響で、熊本県内の社会福祉協議会が支援募集を当面県内に限定しているからだ。福岡県なども追随する可能性があり、経験豊富な市民団体から「人手不足で復旧が遅れるのでは」と心配の声が上がる。
 「いつも被災直後の現場に入る複数の支援団体が動けず、現地の情報が入らない」。神戸市の市民団体「阪神淡路大震災一・一七希望の灯り」の藤本真一さん(36)はマスクなどの物資を準備しているが、必要となりそうな地域も分からず戸惑う。浸水家屋の片付けは泥が固まる前に集中的に取り組む必要がある。当面は義援金の呼び掛けをして様子を見るという。
 兵庫県の外郭団体「ひょうごボランタリープラザ」は新型コロナの影響を想定し、災害ボランティアセンター(VC)の機能を持ったキャンピングカーを5月から準備している。車内に貸し出し用のスコップや長靴、マスクなどを搭載。被災地に駆け付けて社協の業務を補助できるが、まだ出動のめどは立っていない。
 団体の高橋守雄所長(71)は「人手不足が深刻化する恐れがある。体調管理をした人であれば県外からも受け入れ、登録制にして感染経路を特定できるようにしたらどうか」と提案する。
 2年前の西日本豪雨で復旧支援にあたった広島市西区の団体「震災復興子ども支援」の佐渡忠和さん(68)は、泥の撤去で必要になるタオルを熊本県内に車で届け、すぐに帰宅した。「高齢者が多い地域で感染を心配する気持ちも分かる。今後も物資の搬送などできる範囲での支援を考えたい」と話した。
 被災地の大分県社協の担当者は「自治体と協議して対応を決めたい。人手不足解消と感染リスクのバランスを取るのは非常に難しい」と説明した。(共同)

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