東京都の感染者、過去最多の224人 経路不明は100人超

2020年7月10日 05時50分

 東京都は9日、新たに224人の新型コロナウイルス感染者が報告されたと発表した。1日あたりの人数では4月17日の206人を上回り、過去最多を記録。累計感染者数は7272人になった。小池百合子知事は都の対策本部会議で「検査件数が増えていることが影響しているが、感染者数の動向にはさらなる警戒が必要だ」と警戒を強めている。(小倉貞俊、松尾博史)
 都によると、感染経路が判明しているのは120人。内訳は新宿区や豊島区の接待を伴う飲食店の従業員や客が63人、友人らとの会食が14人など。最近目立っている夜の繁華街関連は感染経路が不明・調査中を含めると74人に上ったが、全体に占める割合は3割強にとどまった。経路不明・調査中は104人で、100人を上回ったのは4月18日以来。感染経路も多岐にわたっており、市中での感染拡大の懸念がさらに高まる形となった。
 年代別の最多は20代の109人。30代以下が全体の8割を占めた。若者中心に感染が広がっている傾向は変わらないが、50代以上が23人いた。都の会議でも最近の状況について、専門家から「同居、会食などを介した高齢者層への感染拡大は注意が必要」との指摘が出ている。
 入院者も増加傾向にあり、現在は重症者6人を含む441人。ただ新たな死者は15日連続で報告されていない。都は「今のところ医療提供体制は確保されている」との立場をとりつつ、今後に備えて確保する入院病床を2800床まで拡大する。

 新規感染者が増加する背景に、検査体制の充実がある。都によると、感染者数のピークだった206人が報告された4月17日ごろの検査件数は1000件前後。これに対して、最近の検査件数は約3倍に当たる3000件規模に上っている。新宿、豊島区が、ホストクラブなど「夜の繁華街」で集中的な検査を実施していることなども感染者の発見につながっている。
 小池知事はこの日、報道陣の取材に、1日あたりのPCR検査可能件数を、現状の6500件から近く1万件にまで増やすと説明。「今後、数字上の感染者は増えていくことになる。若い感染者が多い中、いかに(重症化しやすい)高齢者にまで広げないかが重要」とし、「陽性判明後に連絡が取れなくなる方がいる。自分の行動がどういうことをもたらすか考えてほしい」と述べた。

◆医療体制の警戒度を引き上げ

 東京都は9日、新型コロナウイルス対策で今月から新たに始めたモニタリング(監視)の7指標を分析し、入院患者が増えているとして、「医療提供体制」を4段階の警戒度で上から2番目に重い「体制強化が必要である」に引き上げた。また1000床を確保している病床数を、13日までに2800床まで増やすよう医療機関に要請したと明らかにした。

 都はこの日、新たな7指標を導入後で初となる専門家を交えたモニタリング会議を開催。新規陽性者数や重症患者数などの状況を基に、8日まで1週間分の「感染状況」と「医療提供体制」を分析した。
 「医療提供体制」については、入院患者数(8日時点で444人)とPCR・抗原検査の陽性率(直近7日間平均で5.6%)が2週連続で増加。重症化リスクの高い年齢層の患者の入院も増え始めた。
 「感染状況」は、新規陽性者のうち40~50代の感染が前週よりも、同居や職場、会食など幅広い経路で増えている傾向があるが、警戒度は引き続き4段階で2番目の「感染が拡大しつつある」とした。
 分析した帝京大病院の坂本哲也院長は「病床の準備には医療人員の確保を含めて2週間程度かかる。入院患者は増える見込みで、直ちに着手するべきだ」と指摘。軽症・無症状者を滞在させる宿泊療養施設の確保も提言した。都は現在2カ所の宿泊療養施設を月内に4カ所とし、8月からは3カ所とする予定。(小倉貞俊)

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