請願者の住所「把握」、豊島区議が圧力的投稿 提出者「身の危険感じた」

2020年7月10日 05時50分
豊島区議会の委員会で「身の危険を感じた」と話す卜沢彩子さん(左)=9日

豊島区議会の委員会で「身の危険を感じた」と話す卜沢彩子さん(左)=9日

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 議員が差別的発言やヘイトスピーチをした場合に対応することを求めた東京都豊島区議会への請願で、ジャーナリスト伊藤詩織さんの性暴力被害訴訟を批判するなどして請願のきっかけを作った沓沢亮治区議が「(請願者の)氏名、住所は把握している」とツイッターに投稿したことが分かった。請願者の卜沢彩子さん(32)は9日の区議会議会運営委員会で意見陳述し、「身の危険を感じた。正式な形で声を上げた区民への抑圧だ」と訴えた。(中村真暁)
 沓沢区議が「把握している」と投稿したのは6月28日。請願書には請願者の氏名、住所の記載があると指摘し、「誰なのか判明すると思います。言論弾圧に負けないで」などとつづった別の人の投稿に返答する形で、書き込んでいた。
 区議会の規則で、請願書は全議員に配布される。請願書には、請願者の氏名や住所が記入されている。卜沢さんは「直接の脅迫ではないが、住所を把握していると言う必要があるのか。リスクを負って声を上げなければならない状況を考えて」と求めた。
 区議会各会派は沓沢区議の投稿を問題視し、村上宇一議長が8日、沓沢区議に憂慮していることを伝えた。村上議長によると、沓沢区議は「悪意はなかった」と釈明し、投稿を削除すると説明したという。投稿は現在、削除されている。
 沓沢区議は昨年12月、伊藤さんの性暴力被害訴訟勝訴を受け「女性が社会的・経済的に攻撃できる判例が出た。恋をして結婚したい男女にとって非常に不利な判決」などとツイッターに投稿。これを受けて、3月の区議会に、性暴力の根絶を目指す決議案が議員提出されたが、賛成少数で否決された。
 沓沢区議はその後、ツイッターに「中共肺炎の検査場所が伏せられている理由は在日敵国人が検査妨害するから」などと投稿。卜沢さんは、区議会に性暴力や差別発言に反対する意志を示し、対策指針を作ることなどを求める署名活動を展開し、約4000人が賛同した。6月の区議会で、性暴力の根絶を目指す別の決議案が議員提出され、可決された。

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