ポッドキャストが熱い 新聞との相性は? 創設者に聞く

2020年7月10日 07時10分

ポッドキャストの魅力をチョウカンヌに語る関根麻美さん=千代田区の東京新聞で

 「ポッドキャスト」を知っていますか? インターネット上で音声を配信するサービスで、個人で開けるラジオ局のようなもの。今年は日本の「ポッドキャスト元年」と言われているそうで、東京新聞社員有志でつくる次世代研究所メンバーも興味津々。日本初のポッドキャストの賞を創設した関根麻美さん(36)に、その魅力や新聞との親和性を聞いた。
 −ポッドキャストが話題になっています。
 日本でもユニークな番組が増えてきたなと感じたのはここ1年でしょうか。30代の地方の農家の方々が肥料や野菜の等級について語ったり、海外在住の日本人ジャーナリストが現地の話題を話したりする番組もあるんですよ。数年前から米国ではブームで、日本にも配信プラットフォームが続々参入しています。
 −十数年前にも一時盛り上がりましたが。
 昔と今が違うのは、スマホやスマートスピーカー、ワイヤレスイヤホンが普及したこと。出版社などの企業がブランド価値を伝えるためにポッドキャストを使い始めているのも特徴です。パッと目につく映像は「YouTube」向きですが、音声はブランドの根幹、文化や思いをゆったり伝えられることが利点。さらに利用が広がるのでは。
 −優良コンテンツを表彰する「JAPAN PODCAST AWARDS」を創設した理由は。
 私自身がどうやっておもしろい番組を探したらいいか分からなかったんです。当時勤めていたラジオ局のニッポン放送でチェックしていましたが、人気ランキングの上位はラジオ局の番組や英会話で占められていて、それ以外が埋もれていると思いました。
 ポッドキャスター(発信者)十数人に話を聞くと、やはり見つけてもらえないという共通の悩みが聞こえてきました。「この賞で選ばれるものは確かにおもしろいよね」と言われるような、一つの指標にと賞を創ったんです。

今年4月にオンラインで行われた「JAPAN PODCAST AWARDS2019」授賞式の様子(実行委員会提供)

 −新聞と音声メディアの可能性をどう考えますか。
 米ニューヨーク・タイムズは、ポッドキャスト「ザ・デイリー(The Daily)」で、毎回テーマを決め、実際の取材音声も生かしながら深掘りする番組を配信していて人気です。業績のV字回復にも寄与しました。音声だけですが、ドラマチックでドキュメンタリー作品のような感じです。
 ポッドキャストの魅力は、普段の生活ではちょっと届かないような話題が自然と耳から入ってくること。新聞の強みを理解した上で、一つのツールとして使う。内容は深ければ深いほどいいと思います。

◆「書くと話すでは大違い」 新聞記者ラジオ ニュースの裏側話します

ポッドキャストを収録する、(左)から奥野、三輪、中村の各記者=千代田区の東京新聞で

 「新聞に、未来はある。」を掲げて活動する次世代研究所。メンバーの社会部記者がポッドキャストをやってみた。
 番組名は「新聞記者ラジオ」。新聞記者の話からニュースの裏側や新聞に興味を持ってもらえたらと、記者が同僚に今追っているテーマについて一から聞いてみた。今回はコロナ禍での生活困窮者追い出し問題と、LGBTなど性的少数者のアウティング(暴露)問題を取り上げた。
 やってみると、書くのと話すのでは大違い。要点をまとめて語るのは難しい。気合を入れすぎてテンションが高くなってしまったのも反省点だ。https://www.himalaya.com/news-politics-podcasts/2272870
から聴いてみてください。音楽配信サービスのスポティファイでも公開中。
 次世研では昨年から、本紙の子育てサイトに寄せられた声を紹介する音声番組「東京すくすくラジオ」もYouTube「東京新聞チャンネル」で配信。最新回はコロナ禍での親子、夫婦関係の変化について。
 文・奥野斐、中村真暁、三輪喜人/写真・松崎浩一、長壁綾子
<ポッドキャスト> スマホのアプリなどで、音声コンテンツを聴いたり発信できたりする仕組み。内容も長さも自由で、放送時間を気にせず好きな時間に聴ける。ラジオのトーク番組のような形式やニュース解説もある。「JAPAN PODCAST AWARDS 2019」には821作品のエントリーがあり、今年4月の授賞式で「歴史を面白く学ぶコテンラジオ(COTEN RADIO)」が大賞とSpotify賞をW受賞した。
 ◆紙面へのご意見、ご要望は「t-hatsu@tokyo-np.co.jp」へ。

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