「暫定の保証ない」「反対の声無視された」 オスプレイ木更津配備、地元は不満や不安

2020年7月11日 06時00分

陸上自衛隊木更津駐屯地に到着した輸送機オスプレイ(手前)=10日、千葉県木更津市で、本社ヘリ「まなづる」から

地元区長の友野常義さん

 陸上自衛隊の輸送機オスプレイが10日、木更津駐屯地(千葉県木更津市)に配備された。「暫定配備が5年で終わる保証がないのに、何の担保もない。うちは反対だと市に伝えてきたが、無視された形だ」。地元区長からは、受け入れへの不満や安全性への不安の声が聞かれた。 (山田雄一郎)
 駐屯地に隣接する中里2丁目区長の友野常義さん(73)は陸自オスプレイ到着の時を自宅で体感した。
 「テレビを見ていたら、ヘリコプターより大きな音が聞こえてきたので『ついに来たか』と思った」
 中里地区と中里漁業協同組合は、木更津市が昨年6月に住民説明会を始めた当初から「暫定配備に反対」と訴えてきた。騒音問題が解消されず、配備期間が不透明で地元にメリットが感じられなかったことに加え、市や市議会が頭ごなしに受け入れを決めたように思えてならなかったからだ。
 市内の6漁協のうち中里漁協は唯一、潮干狩り場を持たないため、長年厳しい運営を強いられてきた。組合員の友野さんは「駐屯地があるから中里は潮干狩り場を造れない。漁場に行くにも駐屯地を迂回うかいしないといけない」と訴える。
 木更津で生まれ育ち、駐屯地の変化をすぐそばで見つめてきた。幼少時は、進駐軍の米兵に「ヘイ、サービス」と言ってチューインガムをねだったり、米兵から硬式ボールをもらって野球を楽しんだりした。駐屯地は、生活の一部だった。
 だが現在、駐屯地から約100メートルの距離にある自宅は、ヘリコプターなど航空機の騒音は日常茶飯事。駐屯地でホバリングがあると、窓ガラスがガタガタ音を立てる。防音工事をするにも数100万円の自己負担になるので、手を着けないままだ。離陸で宙に舞ったとみられる草花が風に流され、自宅に落ちてくることもある。
 今後、騒音がひどくなる恐れがあり、墜落の危険性も頭をよぎる。陸自オスプレイが暫定配備された今は、せめて5年の期限を厳守してほしいと願う。「5年より延びた場合、国はどう補償してくれるのか」と危機感を募らせる。

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