事故防ぐ心構えを 「水」に慣れぬ今夏 オンラインセミナーに親子で参加

2020年7月11日 07時08分

水の事故をテーマに行われたオンラインセミナー

 新型コロナウイルスの感染拡大で、海水浴場の開設見送りや水泳授業の中止・縮小が相次いでいる。子どもたちが「水」に慣れず、海などでの「大人の目」も乏しい今夏の状況は、子どもたちが水の事故に遭うリスクを高めると専門家は指摘する。安全意識を高めるためのオンラインセミナーに親子で参加し、心構えを学んだ。 (小林由比)
 六月十四日の「守ろう!いのち 学び合おう!水辺の安全セミナー」では、日本ライフセービング協会副理事長の松本貴行さんが講師を務めた。小学一年〜中学二年までの十五人が参加した。
 例年は海水浴場で目を光らせるライフセーバーや「海の家」スタッフらも今夏はいない状況に。万一溺れたり、熱中症などで具合が悪くなったりしても助けを呼べない。松本さんは子どもたちに「例年と違い、学校で水に慣れ、安全について学んでから夏休みを迎えられない。自分が何を準備できるか考えてほしい」と語りかけた。
 セミナーは、友達と海釣りの最中、男の子が足を滑らせ海中に転落というドラマ仕立ての映像を見ながら進んだ。松本さんは「ドラマでは『助けて〜!』と大声で呼ぶが、実際は鼻や口に水がたくさん入り、声を出せないことが多い。静かに溺れるので周囲も気づきにくい」と解説した。
 救助法も習った。助ける人が釣りざおなど長い棒を差し出す場合、腹ばいなど引っ張られない姿勢を取る。浮き代わりのペットボトルを投げる時は、水を少し残しておくと風などに飛ばされにくい。
 救助される人はクーラーボックスなど浮き代わりのものを投げてもらい、つかんだら体の力を抜き、おなかに乗せて浮く。「体の中の浮袋は肺。大きく息を吸いゆっくりはくように」
 映像では、ライフジャケットの学生が助けようと飛び込むが、正しく着ていなかったため危険な状況に陥った。松本さんによると、体に合ったサイズを選び、チャックを閉めたり、股下のベルトをしっかり留めたりと体に密着させて着ることが大切という。
 セミナーを、同協会と共催した「吉川慎之介記念基金」の代表理事、吉川優子さんは二〇一二年七月、五歳だった一人息子の慎之介君を川の事故で亡くしている。吉川さんは「水辺の安全の知識を子どもたちに伝えたい」と考えて企画した。
 当初は参加を渋っていたわが家の小学四年の次男。クイズ形式の講座が楽しかったようで、積極的に参加していた。学校で習ったことを思い出す機会にもなったようで、隣の私に途中で「解説」する一幕も。一方的に話を聞く形より、自分の中に残るものは多いだろうと感じた。
 他の保護者からも「親子でコミュニケーションを取るきっかけになった」「教わったことが頭に残っていれば、いざというときに役に立ちそう」などの感想が出ていた。
 吉川さんは「子どもたち自身が学び合おうとする姿に感激し、その大切さに気づかされた。子どもに伝える活動も重ねていきたい」と話した。
 セミナーで使われた映像はここから見られます。

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