<新型コロナ>下高井戸 消させぬシネマの灯 地域住民が応援カンパ

2020年7月11日 07時29分

上映会の思い出を語る飯田さん(左)と木下さん=世田谷区で

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で経営が厳しい下高井戸シネマ(世田谷区松原3)を支援しようと、映画好きの地域住民が、商店街関係者や地元の大学教員らの協力を得て、運営資金に充てるカンパを募っている。地域の貴重な文化資源を守りたい、との思いからだ。(小形佳奈)
 京王線の下高井戸駅そばにある下高井戸シネマはミニシアターで、昭和三十年代前半の創業。現在は幅広いジャンルの洋画、邦画を上映している。
 木下陽香代表(39)によると、会員の多くが徒歩や自転車圏の住民という。席数は百二十六。コロナの影響で三月下旬から客足が途絶えた。緊急事態宣言が発令された翌日の四月八日から五月三十一日まで休館。六月に再開したが、客の入りは少ない。今はコロナ対策で席を一席ずつ空けて半数にしている。
 三月半ばから二カ月間、インターネットで資金を集めるクラウドファンディングを行い、五百八十五万円を集めた。ただ配給会社への支払いや家賃などで、四、五月の支出は千三百万円。まだ赤字という。
 窮状を知り、一昨年まで二十年間、同館でドキュメンタリー映画の上映会を開いてきた区内在住の飯田光代(てるよ)さん(68)がカンパを企画した。「素人の主婦が持ち込んだ企画に場を与えてくれた。お客さまにも作品選びや運営などを助けてもらった」と振り返る。
 地元にキャンパスがあり、飯田さんの上映会を手伝ってきた日大文理学部の紅野謙介学部長(64)は「大学の学びは教室だけでは成立しない。大学を取り巻く文化、社会的な環境も重要」と話す。
 下高井戸駅周辺街づくり協議会会長で、商店街振興組合の役員を長年務めた前田勝弘さん(78)も「文化のシンボルとして映画館は欠かせない」として支援を呼び掛ける。
 カンパは一口千円で、十四日まで、飯田光代さんの郵便口座(00110−1−77187)に振り込む(要手数料)。同館窓口でも受け付けている。問い合わせは飯田さん=電080(3483)3811=へ。

関連キーワード

PR情報

東京の最新ニュース

記事一覧