「オスプレイ帰れ」150人抗議 市長、防衛省に「情報提供を」 木更津暫定配備

2020年7月11日 07時40分

「オスプレイ帰れ」などと抗議の声を上げる住民ら=木更津市で

 陸上自衛隊の輸送機オスプレイが木更津駐屯地(木更津市)に暫定配備された十日、地元の住民団体の関係者らが抗議活動を行い、暫定配備の撤回をあらためて求めた。周辺住民からは配備について賛否の声が聞かれた。(山口登史、山田雄一郎)
 防衛省によると、陸自オスプレイは米軍パイロットの操縦で十日午後二時すぎ、米軍岩国基地(山口県岩国市)を飛び立ち、約二時間かけ陸自木更津駐屯地に到着した。プロペラが上向きの垂直離着陸モードで南の空から姿を見せ、旋回して滑走路に進入、着陸すると、待ち構えた自衛隊員らもホッとした様子を見せた。
 駐屯地内で報道陣の取材に応じた木更津市の渡辺芳邦市長は「細かな運用や(地元の)負担軽減がまだ提示されていないので、情報提供をしっかりお願いしたい」と防衛省に求めた。
 陸自オスプレイを運用する輸送航空隊の不破悟隊長は「初号機を無事受領でき、率直に安堵(あんど)するとともに身の引き締まる思い。しっかりと点検整備を行い、安全確実に飛行できるよう万全を期す」とコメントした。
 重低音を響かせながら飛来したオスプレイに対し、住民団体「オスプレイ来るな いらない住民の会」の会員ら約百五十人(主催者発表)は「日本の空にオスプレイいらない」などと書かれた横断幕を手に「オスプレイ帰れ」などと拳を突き上げ、抗議の意志を示した。
 吉田勇悟会長(71)=同市=は「米軍機の定期整備に続き、陸自機も暫定配備になってしまい、とても残念だ。今後も粘り強く配備の撤回を求めていきたい」と話した。
 市民の受け止めはさまざまだ。
 駐屯地近くに住む無職小原清文さん(74)=同市吾妻=は「佐賀空港の配備が難航しており、木更津に恒久的に配備されるのではないかと恐れている。今までの運用では無理なのか、国にはもう一度考え直してほしい」と注文した。
 東京湾アクアラインの入り口近くに住む無職久富俊幸さん(80)=同市金田東=は「国の施策なので仕方ないのではないか。事故を起こさないよう、安全に運用してほしい」と話した。

◆日米の整備・訓練拠点に 市議「未来図予測つかない」

 陸自オスプレイの暫定配備が始まったことで、木更津駐屯地は日米オスプレイの整備・訓練拠点として基地機能が強化される見通しだ。日米のオスプレイが首都圏の上空を飛び交い、騒音問題や安全性への懸念が高まる恐れがある。
 同駐屯地は、2017年から米軍オスプレイの整備拠点となっている。これまで4機を受け入れ、現在も2機が整備中だ。23年以降は、米軍機は海兵隊用オスプレイMV22に加え、海軍用オスプレイCMV22も整備する方針。防衛省が整備用格納庫を新設し、現在3〜4機の整備能力が米軍機、陸自機合わせて最大10機までに拡大する計画だ。
 陸自オスプレイは、10日の1機目から始まり、21年度末までに17機が配備される。陸自オスプレイの訓練内容について、防衛省は他の航空機と同様としており、ホバリングや基本操縦が行われるとみられる。習志野演習場など各地で部隊訓練を実施し、全国各地で災害が起きた場合、木更津からオスプレイを派遣することを想定している。
 木更津市議会基地政策特別委員会の永原利浩委員長は「木更津の空がオスプレイだらけになる印象がある。防衛省がどんな未来図を想定しているか尋ねても、返答がないので予測がつかない」と困惑する。(山田雄一郎)

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