平岩幸吉の偉業、本に 郷土史家・石崎常蔵さん、栃木市に寄贈

2020年7月11日 07時46分

大八車で廃品回収を行い老人ホームの運営費を稼ぐ平岩幸吉(「平岩幸吉とその時代」から)

 刑務所を出所した女性の自立支援や老人ホーム設立など明治期の栃木町(現・栃木市)で慈善活動した平岩幸吉(一八五六〜一九一〇年)の偉業を伝えるため、郷土史家の石崎常蔵(つねぞう)さん(78)が冊子「平岩幸吉とその時代」(B5判、六十四ページ)をまとめた。平岩の没後百十年の命日となる十日、百冊を市に寄贈した。
 「こんなに偉大な人が郷土の先輩にいることを一人でも多く知ってほしい」と石崎さん。十二年間かけて研究した集大成という。
 平岩は東京・日本橋生まれ。放蕩(ほうとう)生活から実家を出され、栃木町で料亭を営んだ。四十代で社会学者の久松義典から慈善の心や社会救済を学び、一九〇一年に老人ホームを設立した。
 〇八年には、刑務所から出所した女性に自活の道をと更生保護事業を始めた。活動は更生保護法人「栃木明徳会」(同市神田町)に引き継がれた。石崎さんは同法人の理事長でもある。

冊子「平岩幸吉とその時代」を大川秀子市長(右)に手渡す郷土史家の石崎常蔵さん=栃木市役所で

 冊子は、栃木市史などを基に写真、年表を織り込んだ。交流があった桜井源四郎・栃木町長や実業家の渋沢栄一、久松義典ら六人を紹介している。
 大川秀子市長は「平岩翁の素晴らしい功績が本として時代を超えて伝わっていく」と感謝した。市は冊子を市内の図書館や中学校に配布する。(梅村武史)

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