<しみん発>Tシャツ収益で学校に楽器 レペゼン金町代表・菊永健吾さん(42)

2020年7月11日 07時56分

15日から販売するオリジナルTシャツを着て協力を呼び掛ける菊永健吾さん(右)=東京都葛飾区で

 音楽好きでつながる東京都葛飾区の有志グループが、地元の子どもたちに楽器のプレゼントを続けている。毎年Tシャツを作って販売し、収益を楽器の購入代金に充てている。映画「男はつらいよ」の舞台になった街らしく、寅(とら)さんを思わせる人情味あふれる取り組みだ。6年目を迎え、支え合いの輪が地域で広がっている。(加藤健太)
 飲食店オーナーやスポーツジム経営者ら若手六人が有志グループ「レペゼン金町」を結成し、二〇一五年から活動している。これまで計百九十万円以上の楽器を区内全ての小学校や特別支援学校に贈ってきた。
 購入資金を生み出しているのが、オリジナルTシャツだ。絵が得意な知人やプロのデザイナーにボランティアで協力してもらい、毎年違うデザインのTシャツを制作。今年はアフリカの打楽器「ジャンベ」のイラストが大きく描かれている。
 グループ代表の菊永健吾さん(42)は「音楽で街を盛り上げたかった」と活動を始めたきっかけを語る。
 学校で楽器が足りなかったり、壊れても予算がなくて修理できずにいたりする事情を知り、毎年二〜四校ずつに贈ることに。学校ごとに欲しい楽器が違うため、担当教諭と相談しながらトランペットやドラムセット、和琴などを選んできた。
 活動の支えになっているのが、贈呈した時に見せてくれる子どもたちの笑顔だ。学校によってはプレゼントした楽器を使って、お礼の演奏会を開いてくれた。菊永さんは「演奏を聴いて思わず泣いてしまった」と振り返る。
 活動は地域の人たちが支えている。毎年、美容室や整骨院、工務店など幅広い分野から賛同があり、新型コロナウイルスの感染拡大で休業を余儀なくされた苦境下でも、七十五店舗が協賛金を寄せた。
 葛飾区金町の沖縄料理居酒屋「たーち」は毎年協賛している。オーナーの田中大智さん(27)は「街を盛り上げようとする思いに共感した。Tシャツを着てくれている人を街でよく見かけるようになり、活動が広まっていると感じる」と話した。
 今年は吹奏楽部が活発な都立葛飾総合高校に贈る。Tシャツは十五日に販売を始め、協賛店で注文できる。サイズはS−XLがあり、一枚二千五百円(税込み)。遠方の人に向けてオンラインストア「レペゼン金町Tシャツ」も開設した。
<きくなが・けんご> 東京都葛飾区出身。プロのDJを目指したこともあるほどの音楽好き。2006年、JR金町駅北口に「BAR SMILE LIFE」をオープン。15年にレペゼン金町を立ち上げた。

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