<ひと物語 コロナ編>困窮の学生らに食料 ami seed(アミ・シード)代表・清水直美(しみずなおみ)さん(42)

2020年7月12日 07時18分

寄付された食料を整理する清水直美さん=阿見町阿見で

 「自分もシングルマザーでつらい思いをしたから、黙って見ていられなかった」
 新型コロナウイルス禍を受け、阿見町の女性たちで市民団体「ami seed(アミ・シード)」を設立。生活が苦しくなったひとり親世帯や大学生らに、食料の無料配布を始めた。
 活動を説明し、地元の人から「食事ができない人なんているの?」「子どもの制服が買えない人なんているの?」と聞かれることがある。「います。私がそうだったから」と言い切る。
 双子の娘が中学生だった約六年前、離婚した。二人を育てるため、ゴルフ用品店の販売員と介護職員として、三つの職場をかけ持ちした。夜勤明けには二、三時間だけ眠り、次の職場に向かった。
 「友だちにお願いして三千円を借り、給料が出たらすぐ返したりしていた。特に給料日の前は苦しかった」と振り返る。
 当時は余命が短い母も同居し、近所の女性たちが看護を手伝ってくれた。生活が苦しいのを見かね、料理のお裾分けなどをしてくれた。
 現在は、つくば市内のグループホームで介護職員として働く。コロナ禍が広がる四月下旬、「今夜の子どものごはんにも困っている家庭がある」と聞き、活動を思い立った。「食べ物で助けられたから、食べ物で地元に恩返しをしたい」と考えた。
 同年代の子どもを持つ母親や、地元の祭りの仲間など、町内の三十〜五十代の女性約十人が集まった。知人や会員制交流サイト(SNS)を通じ、食料の寄付を募集。五月下旬、ひとり親家庭などに四十六人分の食料を配った。
 町内には茨城大農学部と県立医療大があり、一人暮らしの学生が多い。大学の寮に食料を届けると、他の学生たちからも要望が出たため、六月初めに学生向けの配布をした。集まった六十人のうち、半分が親の支援を受けていなかった。コロナ禍で親が失業した学生もいた。
 地元の企業や知人だけでなく、居酒屋に居合わせた客なども寄付をしてくれた。町外から、十万円の定額給付金で協力してくれる人もいる。京都府内からも、食べ物を詰め合わせた段ボール箱が届いた。
 配布の希望者も寄付の協力者も、どちらも増えている。今月十八日にも、学生らへの無料配布を予定している。「ずっと続けないといけない。空き家を使い、子ども食堂などの居場所づくりもしたい」と思っている。 (宮本隆康)
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 寄付の申し出や問い合わせなどは清水さん=電080(6531)4650=へ。

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