「悲しみや無念 消えない」 ヘリ墜落の慰霊碑建立 群馬の吾妻広域消防本部

2020年7月12日 07時20分

慰霊碑に献花する遺族会の田村富司会長=東吾妻町で

 群馬県の防災ヘリコプター「はるな」が二〇一八年八月に中之条町の山中に墜落して乗員九人が死亡した事故で、このうち六人の職員が犠牲となった吾妻広域消防本部(東吾妻町植栗)に慰霊碑が建立され、十一日、除幕式があった。式には遺族約三十人が参列し、来月十日の二年目の命日を前に悲しみと無念の思いを募らせた。 (菅原洋)
 碑に名が刻まれたのは、田村研さん=当時(47)、蜂須賀雅也さん=同(43)、水出陽介さん=同(42)、黒岩博さん=同(42)、塩原英俊さん=同(42)、岡朗大さん=同(38)。
 碑は全体の高さが二・六五メートル、幅約二メートル。六人の御霊が天高く昇る様子を赤い円で表現した。碑文には「旺盛な責任感、強い使命感のもと身をもって職務の完遂に努め志半ばにしてその職に殉じられた事実を我々は決して忘れることはありません」などと刻んだ。
 碑は事故現場の方角を向き、組織内に同本部を持つ吾妻広域町村圏振興整備組合が約五百万円かけて建立した。
 除幕式では、遺族たちと、同組合を構成する町村の首長ら来賓約十人を含む参列全員が事故現場の方角を向いて黙とうした。
 続いて遺族会の会長で、田村研さんを失った父の富司さん(79)が「間もなく事故から二年を迎えるが、どんなに月日が流れようと、最愛の家族を突然失った悲しみと無念の思いは消えない。二度と私たちのような家族ができず、このような悲惨な事故が起きないように」とあいさつした。参列者の代表が除幕し、最後に全員が献花した。
 慰霊碑を巡っては、県は事故現場から約六十キロも離れた前橋市の県消防学校に建立する方針。しかし、事故現場に近い渋峠にも建立するよう求める遺族の要望を受け、両方に建立する方向で検討をしている。
 除幕式の終了後、富司さんは報道陣に「慰霊碑は渋峠にできることで一段落となる。ただ、渋峠は冬季には雪で行けないため、その際はこの消防本部の慰霊碑に訪れたい。県は現場への登山道も早く開通させてほしい」と求めた。
 別の遺族の男性は「(ヘリを運航した)県の慰霊碑が消防本部の慰霊碑よりどうして遅くなるのか。登山道も早くしてほしい」と厳しく指摘した。

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