浅草の芸者衆にネットで支援の輪 マスクできず2カ月半休業で苦境

2020年7月13日 13時55分

浅草の街を練り歩く芸者衆=東京都台東区で(東京浅草組合の河村英朗さん提供)

 東京屈指の花柳界「浅草花街」(台東区)が、新型コロナウイルスの影響で苦しんでいる。宴会のキャンセルが相次ぎ、芸者衆は収入が激減した。江戸時代からの伝統を残そうと、浅草見番(東京浅草組合)は初めてネットで支援を募るクラウドファンディングを開始。返礼品人気もあって初日に目標額を超え、江原正剛(まさたけ)組合長(49)は「こんなに応援してくれる人がいるとは」と感謝しきりだ。(天田優里)
 「白塗りが落ちてしまうので、芸者はマスクができない。雰囲気を壊さないベールを着けてもいいかなと思っている」。江原さんはコロナ対策として作成したガイドラインを見ながら言う。手洗いや検温の徹底のほか、返杯を避け、マスクのない会話では扇子を口元に当てるなど留意事項は26に上るが、「今は企業の接待も宴会も入らない。件数は昨年の1割くらいで、全然ダメ」。

浅草花街のコロナ対策やクラウドファンディングについて話す東京浅草組合の江原正剛組合長=東京都台東区で


 組合には芸者と幇間ほうかん(たいこ持ち)計26人が登録しているが、感染拡大で2月以降、仕事の場を奪われていった。4月1日に芸者衆の手配を行う見番を閉め、6月半ばまで約2カ月半休業。浅草芸者らは生活が苦しくなり、中には金融機関のローンを組む人もいた。
 クラウドファンディングを提案したのは、苦境を知った吉原の老舗料亭「桜なべ中江」(台東区)と、つながりのあったグッズメーカー「大王製作所」(同)。初めての試みで組合側に迷いもあったが、4月から打ち合わせを重ね、今月3日に始めた。
 支援金は、コロナ収束後のイベントの開催などに使うことを検討しており、目標額の100万円は初日に達成。29日に締め切るが、現在、100人以上から300万円を超える寄付が集まっている。花柳界らしい返礼品もあり、1万5000円で芸者衆との女子会ランチに招待するプランは、定員10人がすぐ満員に。8万円で芸者体験でき、12万円で夜の座敷にペアで招待する。

芸者が舞う宴会の様子=東京都台東区で(東京浅草組合の河村英朗さん提供)

 「やってよかった。芸者衆も自信を持てた」と江原さん。苦しい日々は続くが、寄付をきっかけに若者や女性にも浅草花街に足を運んでもらえたらと願っている。
 サイトは「江戸初期から続く伝統を一緒に支えていただけませんか?」。問い合わせは、大王製作所=電03(3876)1345=へ。

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