外注の説明拒否、国家予算の場合許されない 弁護士・久保利英明氏<どう見る給付金の再委託・中>

2020年7月14日 06時00分

持続化給付金の再委託問題について語る久保利英明弁護士=東京都千代田区で

 ―電通を中心に外注を重ねた持続化給付金の事業に、予算の無駄遣いの疑念が出ている。経済産業省が着手した中間検査のどこに注目すべきか。
 「検査については独立性が必要だ。有識者らの選定を疑惑の当事者である経産省が行うべきではない。原発事故のように、国会などで調査委員会を設けるのが望ましい」
 ―職員もほぼ不在で、実体に乏しい一般社団法人サービスデザイン推進協議会(サ協)が受注したことをどう見るか。
 「サ協が間に介在するなら、国民に利点があることが重要だ。給付金の支給が早くなり、予算の削減にもなっていることを、経産省は説明しなければならない」
 ―サ協が給付金事業で見積もっている21人分で計1億2000万円の人件費は妥当か。
 「事業は電通にほぼ丸投げされている。サ協の職員は電通やパソナなど設立に関与した企業の社員ばかり。どんな仕組みで働き、1人当たり600万円弱の人件費をどうして国が持つのかという疑問に経産省は答えていない」
 ―サ協から先は、再委託を受けた電通を中心に子会社などに外注が繰り返されている。外注が多くなることの問題点は。
 「一般的に外注が多くなればなるほど、費用は膨れやすくなる。身内企業を引っ張り込み、外注で利益を分け合うことは古今東西、国の委託事業で行われているのではないか」
 ―外注関係の詳細な情報を公表しない理由として、経産省が挙げる「民民契約」の説明は妥当か。
 「民民契約を理由に説明を拒むのは、国家予算の場合は許されない。ずるずる外注を重ねていったら、反社会的勢力が介在しても分からなくなり、チェックが利かなくなるからだ」(聞き手・桐山純平、森本智之)
 くぼり・ひであき 1971年弁護士登録。第二東京弁護士会会長、金融庁顧問などを歴任。現在、日本取引所グループ社外取締役、弁護士や会計士でつくる第三者委員会報告書格付け委員会の委員長などを務める。企業法務に明るく、今年4月の人事院の広報誌にインタビューが掲載されるなど官僚組織にも詳しい。

 持続化給付金事業に関係する企業数 一般社団法人サービスデザイン推進協議会(サ協)は経済産業省から769億円で持続化給付金事業を受託し、委託費の97%に当たる749億円で電通に再委託していた。電通からは、パソナやトランスコスモスなどに業務の外注が繰り返され、関係している企業は判明分だけで63社に上る。

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