考える「公共空間」とは 「パブリック 図書館の奇跡」公開記念 オンラインイベントで意見交わす

2020年7月14日 07時16分

オンラインで意見を述べ合う出席者たち

 大寒波で命の危機を感じたホームレスの集団が図書館を占拠する−。そんな米国映画「パブリック 図書館の奇跡」(2018年)の公開(17日)に先立ち、オンラインイベントが行われた。日本国内でもホームレスが避難所に受け入れてもらえないなど公共空間から排除されており、イベント出席者が、公共の在り方などについて意見を交わした。 (中村真暁)
 映画は、図書館に立てこもったホームレスと行動を共にする図書館員の勇気ある行動が描かれる。貧富の差、人々の分断、そして生きる希望など、考えさせられる内容だ。
 イベントでは、司会を含め出席者四人が感想や意見を述べ合った。生活困窮者らの支援活動に取り組む一般社団法人「つくろい東京ファンド」代表理事の稲葉剛さんは「路上生活者の多くは、図書館や公園など、さまざまな都市機能に依存して生きている」と説明。
 昨年の台風でホームレスが台東区の避難所から受け入れられなかった問題や、今年六月、支援団体による都庁敷地内での炊き出しに都が退去を要請した問題に触れ、日本でも公共空間からの「排除が続いている」と指摘した。
 東京外国語大名誉教授の西谷修さんは「日本で公共空間とはお上の物、ということがアクチュアル(現実的)。でも、パブリックはみんなの物」と言い、一人一人の自由を貫くため協力し合う空間だと話した。
 公園などの公共空間では人々の関係性が生まれるが、法政大教授の上西充子さんは「関係性を守っていく意識がなければ」と述べた。
 司会のフォトジャーナリスト安田菜津紀さんは、多様な問題を自己責任とせず共有するには「集まり、声をあげる必要がある」とし、そうしたことができる公共空間の重要性を語った。
 イベントは先月末、映画配給会社のロングライドと映像制作関係者有志による「チューズライフプロジェクト」が開いた。同プロジェクトのユーチューブチャンネルで現在も視聴できる。
 映画は、ヒューマントラストシネマ有楽町(千代田区)や新宿武蔵野館(新宿区)で上映予定。

映画「パブリック 図書館の奇跡」のシーン((C)EL CAMINO LLC. ALL RIGHTS RESERVED. ロングライド提供)

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