フィリピン残留邦人のいま 25日から ポレポレ東中野で

2020年7月14日 08時07分

高齢のフィリピン残留邦人から聞き取り調査する河合弘之弁護士(左)((c)Kプロジェクト)

 終戦後、フィリピンに置き去りにされた残留邦人のいまを描いたドキュメンタリー映画「日本人の忘れもの」が二十五日から、東京のポレポレ東中野で上映される。戦後七十五年の未処理問題に光を当て、政府支援による早期の解決を訴えている。 (野呂法夫)
 「苦難というのがこの人たちの人生のことを言うのかと痛感しましたね」。現地で八十歳を超えたフィリピンの日系人から聞き取りした映画製作者で弁護士の河合弘之さん(76)は話す。
 戦前から移住した日本人の父とフィリピン人の母から生まれた子どもたちが大勢いた。戦後、父だけが帰国し、反日感情の強い現地社会で日系を隠して暮らしてきた。「私を日本人と認めてほしい」。年老いて自分の「証明」を訴える無国籍扱いの残留邦人は減ったが、まだ千人近くいる。
 河合さんは旧満州(中国東北部)の引き揚げ者の一人だ。弁護士として帰国した中国残留孤児の生活支援などに力を尽くした。同様にフィリピン残留邦人の国籍回復に取り組むが、民間やNPOの支援では間に合わないと焦燥感に駆られ、映画の力で社会に知ってもらおうと製作した。

河合弘之弁護士

 映画では、戦争に翻弄(ほんろう)された二つの国の邦人がたどった人生と「いま」を描きつつ、日本という国の姿を浮き彫りにしていく。河合さんは「本来、政府が取り組むべきことです。『棄民体質』を改めて、早く救済してほしい」と願う。
 映画は八月八日から横浜市のシネマ・ジャック&ベティなど全国で順次公開される。

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