「敵基地攻撃」別名称も検討 政府・与党、反発に配慮

2020年7月15日 06時00分
防衛省

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 2020年版の防衛白書は、地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」について「配備プロセスを停止し地元におわびした」と記載するにとどめた。政府や自民党は、地上イージスに代わるミサイル防衛の選択肢として、敵基地攻撃能力の保有の是非を検討する構えだ。周辺国の反発を考慮し「敵基地攻撃」を別の名称に言い換える動きもある。
 白書は、北朝鮮の新型とみられる短距離弾道ミサイルについて「発射兆候の早期把握や迎撃が困難で新たな課題だ。総合ミサイル防衛能力を強化する必要がある」と指摘。河野太郎防衛相は今月の参院外交防衛委員会で、新たなミサイル防衛体制の検討を巡り「あらゆるカードをテーブルに並べる」と述べ、敵基地攻撃能力を保有する可能性も排除しない考えを示した。
 相手国がミサイルを撃つ前に発射拠点をたたく敵基地攻撃は、一歩間違えれば先制攻撃になりかねない。こうした能力の保有には、連立与党の公明党にも反対論が根強い。中国や北朝鮮、ロシアといった周辺国が反発して東アジアの軍拡競争が加速し、安保環境を悪化させる恐れもある。
 そのため、政府や自民党では「自衛反撃能力」「積極的自衛能力」など新たな言葉をひねり出して批判をかわす案が浮上している。政府高官は、敵基地攻撃論に対する国民の理解が徐々に進んでいるとの認識を示し「名称変更はいいことだ。政府ももちろん考えている」と明かす。(山口哲人)

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