新宿の感染者の多さは「ホストが見舞金欲しい」から? ネットの批判に区役所が「違う」と反論

2020年7月15日 16時35分
 新型コロナウイルス感染者が、東京都内の区市町村の中でも突出して多い新宿区。区が感染者に10万円を支給する見舞金支給制度を創設し、「わざと感染しようとする人がいる」「見舞金欲しさにホストが集団検査を受けている」との臆測が広がり、テレビのワイドショーなども取り上げた。しかし、実態はどうなのか―。同区健康部に創設された新型コロナウイルス感染症見舞金担当の井出修副参事に聞いた。(中村真暁)

◆1000人、1億円を想定

新型コロナウイルス対策のため設けられた新宿区と繁華街関係者との連絡会=6月、東京都新宿区で

 区は1000人に支給することを想定しており、区議会は6月19日に関連経費約1億円を計上した補正予算を可決。7月に入り、テレビ番組やネット記事が相次いで取り上げ、話題を呼んだ。区は8月にも、感染した区民に対し、10万円の見舞金支給を始める。
 この見舞金制度を受け、ネット上では「区に引っ越したい」といった声が上がるが、見舞金目的ならやめた方が賢明だ。緊急事態宣言が発令された4月7日時点で住民登録をしている区民でなければ、見舞金は支給されない。
 また、見舞金目当てに「積極的に感染しようとする人がいる」という指摘が出ているが、井出さんは懐疑的だ。6月中旬までに、区内の医療機関が区に届け出た感染者900人のうち、支給対象者は4分の1だけだった。区内在住でも住民登録をしていない人や、区外在住の人が少なくない。そもそも症状が出れば体もつらいし、後遺症もある可能性があるのに、「10万円欲しさに感染リスクを負う行動を取るのか」(井出さん)。

◆「報奨金ではない」

 「見舞い金目当てにホストが検査に協力している」という指摘も、事実に反するという。区は6月、歌舞伎町など繁華街との連絡会を設置し、ホストらが積極的にPCR検査を受けている。行動履歴を調べる疫学調査への協力呼び掛けもあり、感染者が増加したと、区はみている。
 さらに「検査をして10万円をもらおうキャンペーン」と揶揄やゆされていることに、井出さんは「報奨金ではない」と話す。医療機関や福祉施設が集中する区内で、現場の働き手を支援するための制度だと説明し、「見舞金と感染増加をリンクさせ、そうした解釈が生まれたのだろう。今後も正確な情報を発信していきたい」と話した。
 都の発表では、新宿区の感染者は6月14日に世田谷区を上回り最多に。新宿区は7月13日時点で、1179人となり、2番目の世田谷区の638人より541人多くなっている。

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