米国、連邦レベルで17年ぶりに死刑執行 トランプ政権の意向反映か

2020年7月16日 06時00分
13日、米中西部インディアナ州で、死刑制度に反対する男性=AP

13日、米中西部インディアナ州で、死刑制度に反対する男性=AP

 【ニューヨーク=赤川肇】米司法省は14日、連邦レベルでは17年ぶりに死刑を執行した。11月の大統領選を前に「法と秩序」を訴えるトランプ政権にとって、その実践をアピールする狙いもありそうだ。
 中西部インディアナ州の施設で死刑を執行されたのは、ダニエル・リー元死刑囚(47)。司法省によると、元死刑囚は1996年、白人至上主義団体の資金稼ぎのため、南部アーカンソー州で8歳の女児とその両親の家族3人を脅して8万ドル(850万円)相当の現金や銃器などを奪った上、3人を川に沈めて殺害。99年に死刑判決を受けた。
 司法省は2003年以降、執行に使う薬剤の見直し作業などで執行を見送ってきた。だがトランプ氏が死刑支持を繰り返す中、19年7月に「死刑は連邦議会の承認と大統領の署名で認められている」(バー司法長官)と再開を宣言した。
 元死刑囚の執行が当初予定されていた13日、連邦地裁は、新たな使用薬剤が憲法で禁じられた「冷酷で非道な」処罰に当たるという死刑囚側の訴えを認め、執行を差し止めた。しかし連邦最高裁が14日、5対4の多数意見で決定を覆し、即執行された。司法省は8月までに他に3人の執行を予定している。
 米紙ニューヨーク・タイムズなどが伝えた執行立会人の話では、元死刑囚は「私はやっていない。人生で過ちを多く犯したが、殺人犯ではない」と言い残した。
 米NPO「死刑情報センター」によると、全米50州のうち22州は死刑制度がない。執行人数は1999年の年98人をピークに減少傾向で、2019年は22人。州で2620人、連邦で61人の死刑囚がいる。

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