普天間・岩国基地で感染拡大 米軍任せの検疫に懸念強まる

2020年7月16日 06時00分
 在日米軍内の新型コロナウイルス感染拡大を巡り、軍関係者を対象とした米軍任せの検疫体制に懸念が強まっている。沖縄県宜野湾市の普天間飛行場などでのクラスター(感染者集団)発生を受け、15日に上京した玉城デニー知事は、河野太郎防衛相と面会し「今回の事態は、国内法を適用できない検疫が引き起こした」と批判した。(山口哲人)
 米軍関係者が海外の基地から日本国内の米軍基地に軍用機やチャーター機で直接移動する場合、日米間の合意で、米軍が検疫措置を担う規定となっている。
 外務省によると、米軍は新型コロナ対策として、入国後14日間の移動制限と、公共交通機関の利用禁止を軍関係者らに定めているが、PCR検査の対象は症状がある人に限られる。全ての入国者を検査する日本の対応に比べ基準が緩く、無症状の感染者が見落とされている可能性がある。
 一方、米軍関係者が羽田や成田などの民間空港から入国した場合は、日本の水際対策が適用され、PCRの検査結果が出るまで空港内やホテルなどでの待機が義務づけられる。
 このルールが守られなかったのが、14日に判明した米軍岩国基地(山口県岩国市)関係の感染者3人のケースだ。3人は羽田から入国した後、「レンタカーを使う」と虚偽申告し、民間機で岩国まで移動。日本が定める検査結果判明までの待機と、米軍が定める公共交通機関の利用禁止の両方に違反した。
 米軍関係者の入国管理に対する懸念は先の通常国会でも議論された。茂木敏充外相は5月、「水際対策を含む日本の方針に整合的な措置をとる」との米軍の方針を強調していた。
 しかし、岩国基地関係者による虚偽申告の発覚後、河野氏は米軍の対策に「問題がある」と記者団に認めた。

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