<新型コロナ>大規模クラスター 教訓次に 北総育成園の報告会 船橋市職員ら体験談

2020年7月16日 07時33分

清潔区域と汚染区域などに分けるゾーニングの説明もあった、北総育成園の報告会=船橋市役所で

 新型コロナウイルス感染症のクラスター(感染者集団)が発生した、北総育成園(東庄町)の報告会が十五日、船橋市役所であった。施設は、同市が開設した知的障害者らの入所施設。入所者や職員ら計百二十一人が感染し、国内有数規模の大規模クラスターだった。この教訓を生かそうと、経過や感染防護策、支援体制の説明があり、応援として施設内で介助などを担った市職員らが体験を語った。(保母哲)
 北総育成園では三月二十七日、職員一人の感染が判明。PCR検査で翌二十八日には入所者ら二十六人と職員三十一人が感染していたことが分かり、その後も感染者が相次いだ。
 同三十一日に支援対策本部を設置し、園内での「施設内療養」を行うことを決定。施設の運営法人をはじめ市、県、病院などが連携し支援に当たった。六月四日になって県が終息宣言し、この間に二人が亡くなっている。
 報告会ではこうした集団感染の説明があり、同市福祉サービス部の杉森裕子部長が「大きな決断だった」と振り返ったのが施設内療養。三月時点では、陽性患者は入院し、濃厚接触者は自宅で健康観察とされていた。しかし、知的障害のある人が多く、入院という環境の変化に適応できない入所者が多かったため、重症者のみ入院とし、軽症者や濃厚接触者は施設内で療養を行うことにした。

三つのゾーンに分けられた園内=4月、北総育成園支援対策本部提供

 保健師は、施設内を清潔区域と汚染区域に分けるゾーニングなども解説。同園では「レッドゾーン」「セミクリーンゾーン」「クリーンゾーン」の三区域に分けた。応援職員として施設内で入所者の介助などに当たった市職員は「自分が感染しないか不安だった」「入所者の名前や顔、好みも分からず、対応に苦労した。万一に備え、マニュアルが必要だ」などと、参加した市内の福祉施設職員約四十人に説明した。
 報告会の冒頭、松戸徹市長は「いつ陽性患者が発生するか分からない。施設内で発生すれば、その施設だけで対応できなくなり、市全体で協力し合うことが大切だ」と呼び掛けた。
<北総育成園> 船橋市が1974年に開設し、管理運営を指定管理者である社会福祉法人「さざんか会」(同市)に委託している。定員は75人。市によると、入所者の年齢は20〜80代で、平均年齢は約60歳。重度の知的障害の人が多い。障害の程度により、野菜や花の栽培、木工品や紙工芸品作りなどの作業をし、直売所などで販売している。

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