川崎の中川部屋 閉鎖 神奈川県内唯一「なくなり残念」

2020年7月15日 10時37分

閉鎖が決まった中川部屋。部屋の看板はまだ取り付けたままだった=14日、川崎市幸区で

 川崎市幸区にあった大相撲中川部屋が十三日、力士への指導の際に親方に暴力や暴言があったとして日本相撲協会から処分を受けて閉鎖したことで、県内唯一の相撲部屋が失われた。十四日、部屋近くの住民や市内の相撲関係者からは暴力行為に対する厳しい批判とともに「地元の力士を応援できなくなるのは残念」と寂しがる声が相次いだ。(安田栄治)
 中川部屋は九人の力士や行司らが所属し、イベントなどにも積極的に参加して地元と交流を続けてきた。部屋があった同区南加瀬の辻町内会のイベントでは、力士らが歌を披露して子どもたちと触れ合ってきた。辻子ども会育成会長の太田光雄さん(75)は「部屋ができて三年。これから部屋も力士も成長し、地元との関係も深まっていくと思っていたので残念。暴力は駄目だと子どもたちでも判断できるのに…」と悔しがった。
 今回、引退を表明した三段目力士の旭勇幸(きょくゆうこう)さん(26)は同区の小、中学校を卒業した地元の力士。太田さんは「毎場所、旭勇幸の成績を見て楽しんでいた。寂しくなる」と唇をかんだ。
 部屋近くの小売店の女性(34)は「店に来る力士はみな好青年だった。どういう指導をしていたのか分からないが暴力はいけない。今の時代は口で説明するしかない」と強調した。
 新型コロナウイルスの影響で市内で恒例となった相撲行事の中止が相次ぐ中で、落胆も大きい。中原区のとどろきアリーナで毎年四月に開かれる大相撲巡業「川崎場所」の勧進元、織戸四郎さんは「唯一の部屋がなくなる。残念な気持ちでいっぱい」と肩を落とした。
 市などが毎年五月、こどもの日に合わせ開催する「こども相撲大会」では、中川部屋の力士が胸を出して子どもにけいこをつけた。市市民スポーツ室の担当者は「力士の胸に飛び込むことができ、子どもたちはいい思い出になっていた。市の相撲文化が盛り上がらなくなるとしたら残念だ」と話した。 

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