不安な世間へ 再び「倍返しだ」 「半沢直樹」続編 TBS系あすスタート

2020年7月18日 07時39分

「半沢直樹」の一場面。堺雅人演じる半沢

 2013年に放送されて大ヒットし、社会現象にもなったTBS系の連続ドラマ「半沢直樹」の新シリーズが19日午後9時からスタートする。新型コロナウイルスの影響で3カ月遅れとなったが、満を持して“大本命”の登場に視聴者の関心は高まっている。痛快な決めぜりふ「倍返し」は、不安や暗雲が立ち込める日本の日曜午後9時に再び響き渡るか−。 (原田晋也)
 「この時代、頑張れるということがすごく幸せで、お芝居をやりたくてもやれない方もいる。この幸せをかみ締めながら頑張りたい」。十二日にリモートで開かれた制作発表会見。主演の堺雅人は、放送を前に万感の思いを込めた。

制作発表会見は出演者の間にアクリル板を設置して行われた。後方のスクリーンにはオンラインで見ているファンたちも映された=東京都内で (c)TBS

 当初は四月に開始予定だったが、コロナ感染拡大の影響を受けて延期。会見も観客や報道陣を入れず、出演者の間にはアクリル板を立てて行われた。堺は「安全に気を付けながら撮影していますが、役者同士がぶつかる力を弱めるという選択肢はわれわれにはない」と、覇気も見せた。
 前作は大手銀行に勤める半沢直樹(堺)が、責任を部下に押しつける上司や不正を働く役員に立ち向かっていく物語。最終回は平均視聴率42・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という大ヒットを記録し、半沢のせりふ「倍返し」はユーキャン新語・流行語大賞にも選ばれた。
 テレビ解説者(コラムニスト)の木村隆志は「東日本大震災後の暗い雰囲気の中、誰が見ても勧善懲悪になっているスカッと爽快な物語が時代に合った。人物名をタイトルにしたり決めぜりふをつくったりと、当時ほとんどなかったビジネスドラマを挑戦的にやるために用意した要素も、ことごとくはまった」と人気の理由を分析する。
 また、木村は「半沢−」で“脇役ブーム”が起こったと振り返る。「当時はあまりテレビドラマに出ていなかった吉田鋼太郎、滝藤賢一、片岡愛之助、石丸幹二といった舞台中心に活躍していた俳優が出演した。遠くの(座席の)観客にも見せる必要がある舞台での濃い演技が、顔面のアップを多用する濃い演出にはまった」と説明する。
 続編でも舞台系、特に歌舞伎役者の起用が目立つ。新キャストとして、IT企業創業者の瀬名洋介役で尾上松也、舞台となる銀行の証券営業部長の伊佐山泰二役で市川猿之助が出演する。

伊佐山泰二役の市川猿之助(左)ら個性的な俳優にも注目

 会見に出席した主要キャスト十人のうち四人が歌舞伎役者で、堺も「どこかの地方巡業か」とちゃかしたほど。大和田暁常務役として再登板する香川照之(市川中車)は、猿之助に現場で演技に手厚くアドバイスしているといい、「前回、僕は土下座を食らっているので、うちのいとこ(猿之助)まで土下座を食らうわけにはいかない。半沢直樹に対して一族を懸けた闘いなんですよ!」と語って共演者の笑いを誘った。
 前シリーズは宿敵の大和田を追い詰めながら、半沢は子会社に出向、左遷される結末で終わった。待望の続編となるが、テレビドラマの視聴スタイルがさらに多様化したことなどから、木村は「視聴率では前作を超えることは難しい」とみる。一方で「話題作はいろいろあるが、ちょっと格が違う。今期のど真ん中の作品になることは間違いない」と期待も寄せる。
 続編は池井戸潤の「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」の二冊が原作。出向先の東京セントラル証券で営業企画部長となった半沢に巻き起こる事件と、銀行との闘いを描く。新キャストに賀来賢人、今田美桜(みお)、戸次重幸、井川遥、古田新太ら。

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