<法律お助け隊 君和田伸仁弁護士> 実労働時間ゼロの日の給与 会社が不払い

2020年7月18日 08時19分
<お悩み> メーカーで商品の在庫管理の仕事をしています。新型コロナウイルスの影響で最近まで在宅勤務でしたが、その間、商品の売り上げがほぼなく、ほとんど働いていない日もありました。会社は、実労働時間がゼロの日は有給休暇の申請をしないと、給与を満額支給しないと言うので、やむなく申請しました。このようなかたちで有給休暇を消化させてもいいのでしょうか。 (東京・女性50代)

◆有給休暇充当は違法

<お答え> 新型コロナウイルスの感染拡大を機に、自宅等を勤務場所とするテレワークが広まっています。しかし、上司らの直接的な指揮監督が及びにくく、実際に働いた時間をどう確認するかといった労務管理上の問題が出ています。
 相談者もその一例です。在宅勤務となり、その間やるべき仕事が発生しなかったとしても、勤務日である限り、会社は給与を全額払わなければなりません。出社時に何らかの事情で仕事がなかったとしても、給与が発生するのと全く同じ理屈です。業務の指示などがあればすぐ対応できるよう、勤務中は拘束されているからです。
 このため、在宅勤務中に仕事がなかった日の給与の支払いを会社が拒み、有給休暇で立て替えようとするのは違法と考えられます。そもそも有給休暇は心身のリフレッシュなどが目的で、いつ取得するかは原則、労働者が自由に決められるものです。
 相談者の場合、申請書を提出したので、本人の判断で取得したと捉えられる恐れがあります。ですが、それは有給休暇を申請しなければ、給与を満額支給しないという会社側の誤った説明に基づくものです。
 こうした誤った説明に基づく行為は、労働者本人の「自由な意思」でないとして、無効にされるのが通常です。よって、誤って申請書を提出することによって有給休暇の日数が減ることはありません。
 以上を踏まえ、会社側に給与支払いの交渉をしてみてはいかがでしょうか。会社との交渉は労働組合を通じて行うのが効果的です。また労働局による指導・助言やあっせんの制度を活用する方法もあります。

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