「性別欄」を履歴書規格から削除 1万筆の署名で業界が動いた

2020年7月18日 13時40分

日本規格協会を訪問後、取材に応じるNPO法人「POSSE」の佐藤学さん(右)と当事者の佐藤悠祐さん=17日、東京都港区で

 工業製品の品質基準などの規格をつくっている「日本規格協会」(東京)は、就職活動などで使う履歴書について、性別や年齢、顔写真の欄があった様式例を取りやめた。17日に明らかにした。就活時にこうした属性の記載を求めることは差別につながる恐れがあるとして、NPO法人などから削除を求める声が上がっていた。
 協会が作成する様式を参考に履歴書を製造しているメーカーは多く、今後、性別や年齢の記載欄がなくなる動きが広まる可能性がある。既に公務員試験や高校入試では性別欄をなくす例が増えており、協会側は「様式例として引き続き掲載することにより誤解を招きかねない」としている。
 文具大手のコクヨ(大阪)の広報担当者は「協会から改訂に関する書面が届き次第、履歴書の全商品について、対応を前向きに検討したい」と話した。
 履歴書を巡っては労働問題に取り組むNPO法人「POSSE」(東京)が性別や年齢欄の削除を求める署名活動を実施、17日には心と体の性が一致しないトランスジェンダーの当事者とともに、協会に1万筆以上の署名を提出。9日付で履歴書の様式例を削除したとの説明を受けた。
 当事者の佐藤悠祐さん(28)は転職時に性別の表記に悩み、空欄のまま履歴書を出したが面接会場で記入するよう迫られたという。6月30日には経済産業省にも要請を行っており「これだけ早く対応してくれてありがたい」と笑顔を見せた。
 POSSEの佐藤学さんは「標準として周知されていたものが消えることは、採用や就職活動で性別などを問うこと自体がおかしい、というメッセージになる」と評価した。
(共同)
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