ほうじ茶もブランド作り 富士の若手茶農家4人が始動

2020年7月19日 07時41分

ほうじ茶の試作品をつくる若手の茶生産者たち=いずれも富士市役所で

 富士市内の若手茶農家4人が、茶価の低迷に苦しむ現状を打破しようと、ほうじ茶のブランド化に向けて本格始動した。市役所でキックオフイベントがあり、来年度からの販売を見据え、ブランド化に協力する企業関係者らと今後の方向性を話し合った。 (佐野周平)
 県産一番茶の一キロ当たりの平均単価は近年、緑茶の消費低迷で下落が続いている。それに加え、富士市は春先の気温が上がりにくいため、収穫時期が他産地に比べて遅く、最も大切な一番茶商戦に乗り遅れてしまう側面があった。
 そこで四人は、市場規模が拡大するほうじ茶に活路を見いだし、昨年度から試作を重ねてきた。
 十五日に行われたキックオフイベントには、四人に加え、ブランド化事業に参画する東京の出版社「JTBパブリッシング」の担当者らが参加。葉と茎の割合を変えた三種類の試作品を飲み比べた。「どれもおいしいが、もう少しずばぬけた特徴がほしい」などの意見が出ていた。

試作品の味や香りを確かめる参加者ら

 葉は使わずに茎の部分だけを使い、あっさりした味の試作品が好評だったため、これを軸に商品開発を進めることになった。本年度は首都圏で商談会を開いたりして、来年度からの本格販売を目指す。
 富士市は、自前の荒茶工場で加工や販売まで手掛ける茶農家が多いのが特徴。四人のうち、山田典彦さん(43)は「生産者が一からこだわりを持ってやるという強みを生かしたい」と意気込んだ。
 市によると、茶産地でほうじ茶のブランド化を目指す動きは県内で初めて。担当者は「緑茶文化が根強く、ほうじ茶の位置付けが低いという背景がある」と指摘する。市も補助金を出してブランド化を支援しており、「煎茶市場が厳しい中、これがモデルケースとなり、他の生産者にも広がっていけば」と期待する。

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