マスク義務化、全米論争が激化 南部ではトランプ氏に忖度?

2020年7月20日 06時00分
 【ワシントン=岩田仲弘】全米でマスク着用義務化の是非を巡る論争が激化している。新型コロナウイルスの新規感染者が1日6~7万人ペースで増えるなど感染拡大に歯止めがかからない中、50州の半数以上が公共の場での着用を義務化した。だが、南部の複数州の共和党知事は、着用に後ろ向きなトランプ大統領を忖度そんたくするかのように義務化を拒否している。

◆50州中28州で義務づけ

 米ABCテレビによると、州全体で着用を義務づけているのは28州。今月初めには、それまで着用に否定的だったテキサス州のアボット知事が感染者の急増を受けて方針転換し、15日にはアラバマ州のアイビー知事も義務化の行政命令を出した。
 一方、フロリダ州は5月に営業規制の緩和に踏み切った結果、新規感染者が1日1万人ペースで急増しているものの、デサンティス知事は義務化に慎重。同州ジャクソンビルでは8月末、トランプ氏を正式に共和党大統領候補に指名する党大会が予定されている。
 オクラホマ州のスティット知事に至っては15日、自ら感染を発表したものの「少々体がうずくだけだ」と強調。「マスクを着用しない権利を尊重したい」と述べた。
 州政府と自治体のねじれが激しいのがジョージア州だ。州都アトランタ市は条例で公共の場でのマスク着用を義務付けているが、トランプ氏は15日、同市をマスクなしで視察に訪れ、ケンプ知事は空港でトランプ氏をわざわざマスクを外して迎えた。

15日、米ジョージア州アトランタの空港で、マスク未着用のトランプ大統領㊨を、マスクを外して出迎えるケンプ知事(右から3人目)=AP

◆党派対立で州と自治体でねじれ

 ケンプ氏は同日、州内の市や郡がマスク着用を義務付けた条例を事実上無効とする行政命令に署名。翌16日には、民主党副大統領候補にも名前が挙がるアトランタのボトムズ市長らに対し、市長に義務化の権限はないとし、差し止めを求めて提訴。両者の対立は法廷闘争に発展している。
 ケンプ氏はツイッターで「この困難な時を乗り越えようとしているアトランタの事業主と勤勉な従業員のための訴訟だ」と主張。ボトムズ氏はツイッターで「3104人のジョージア州民が(ウイルスの感染により)死亡し、私と家族を含む10万6000人が陽性と診断された。(訴訟よりも)検査の拡充と接触者追跡の強化に税金を使うべきだろう」と反論した。
 トランプ氏は17日に公開されたFOXテレビのインタビューで「国民には一定の自由を維持してほしい。全ての人がマスクを着用すれば、全て(問題が)なくなるとは思わない」と主張。連邦レベルでの着用義務化を否定した。

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