ロシア、非与党系知事拘束は政権が排除との見方 異例の大規模デモ

2020年7月20日 06時00分

18日、ハバロフスクで、「私(われわれ)はフルガルだ」などと書かれた横断幕を掲げてフルガル知事拘束に抗議する市民ら=AP

 【モスクワ=小柳悠志】ロシア極東ハバロフスク地方のフルガル知事が殺人容疑などで拘束されたことに抗議する大規模デモが、ハバロフスクなどで1週間以上にわたり続いている。非与党系のフルガル氏を政権が排除したとの見方が地元では強く、反政権デモの様相を呈している。地方での大規模デモは異例だ。

◆現職破る番狂わせで当選し注目

 フルガル氏は9日、2004~05年に起きた複数の殺人・殺人未遂事件に関与した疑いで治安当局に拘束され、モスクワに移送された。知事は容疑を否定している。18年の知事選でフルガル氏は、極右・自由民主党の候補として政権与党「統一ロシア」の現職を破る番狂わせで当選し注目を集めた。

◆他の極東地域にも飛び火

 抗議デモは11日、ハバロフスクで開始。3万人が街路に繰り出し「プーチン(大統領)は辞めろ」「知事を解放しろ」と訴えた。デモはその後も続き、地元メディアによると18日も2万人が参加した。抗議デモは極東の他地域にも飛び火し、19日にはウラジオストクでも行われた。

◆「地方当局に服従求める国策捜査」

 政治情報センターのアレクセイ・ムーヒン所長はフルガル氏拘束について「政権にとり野党の人気が高いハバロフスクはコントロールしにくいからだ」と指摘。プーチン氏が中央集権的な統治をさらに強化する中、地方行政当局に服従を求めるための国策捜査だったとの見方を示す。
 また政治学者コレスニコフ氏は「政権は知事拘束を1年以上前から計画し、改憲完了を機に踏み切った」と分析。そのうえで「これほど抗議が広がるとは政権も予想できなかったのでは」と語る。
 ロシアではシベリア・イルクーツク州でも昨年、共産党のレフチェンコ知事が水害対応の不手際を理由に解任されている。

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