米大統領戦前に米朝会談はあるか 「両首脳の決心次第」

2020年7月20日 06時00分

◆北韓大学院大教授が金与正談話を読み解く

米朝会談開催の展望などについて語る梁茂進・北韓大学院大教授

 11月の米大統領選前の米朝首脳会談開催の可能性が取り沙汰されている。北朝鮮は、金正恩朝鮮労働党委員長の妹、金与正党第一副部長が10日に出した談話で、会談に否定的な立場を明らかにしつつも「両首脳の決心次第」と含みを持たせた。北朝鮮の狙いや会談の可能性について、昨年まで韓国の文在寅大統領直属の政策企画委員会委員を務めた北韓大学院大の梁茂進教授(北朝鮮政治)に聞いた。 (聞き手、ソウル・中村彰宏、写真も)
 ―談話では、米朝首脳会談を「無益」としている。
 「前段で米国に立場の変化がない限りとしており、言い換えれば、条件をのめばいつでも応じるという意図を伝えたものだ」
 ―北朝鮮の要求は。
 「対北敵視政策の破棄、すなわち生存権と発展権の保証だ。生存権とは、体制保証や国交正常化、不可侵の約束。発展権は、結局は経済制裁の解除になる」
 ―北朝鮮の非核化の立場は。
 「段階的措置を明確にしている。米国がまず敵視政策を一つやめれば、寧辺の核施設を廃棄し、さらに米国が次の措置を取れば、北朝鮮は別の核施設や大陸間弾道ミサイル(ICBM)を廃棄というように、非核化と相応措置を交互にやっていくことになるだろう」
 ―談話では、米国独立記念日の行事を収めたDVDを手に入れるのに、正恩氏の許可を得たとの言及があった。
 「DVDを手に入れるのに、わざわざ許可が必要なわけがない。与正氏を特使として米国に招待してくれれば、首脳会談について協議する用意があるとのメッセージが含まれている」
 ―米大統領選前に米朝首脳会談が開かれる可能性は。
 「現時点では60%程度とみている。ただ、選挙前には開催できなくても、首脳会談の開催で合意したと打ち出すことも考えられる。そのために米韓は8月の軍事合同演習を延期して土台をつくり、米朝両首脳が信頼を確認する親書を交わすのではないか」
 ―北朝鮮はトランプ氏の再選を望んでいるのか。
 「これまでに3度会い、トップダウン方式でも共感している。バイデン氏が大統領になればゼロから始めなければならず、厳しい態度で臨んでくる可能性も高い。北朝鮮にとっては大きな負担だ。談話には再選の期待も込められている」

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