指導力アピール合戦 トランプ氏「マスクをしよう」 バイデン氏は第3弾の経済政策

2020年7月23日 11時59分
 【ワシントン=岩田仲弘、白石亘】トランプ米大統領と民主党のバイデン前副大統領が21日、それぞれ記者会見に臨んだ。新型コロナウイルスの感染拡大で、11月の大統領選に向けて得意とする支持者集会を開けないトランプ氏は、約3カ月ぶりの会見を自己宣伝の場に利用。支持率でトランプ氏に先行するバイデン氏も、今月に入って第3弾となる経済政策を発表するなど、両氏とも指導力のアピールに余念がない。
 「残念ながら、よくなる前に悪くなるだろう」。トランプ氏は、感染拡大について現実的な見通しを示した。特に若者に対して「好き嫌いにかかわらず、他人との距離を保てない場合は、マスク着用を求める」とも呼びかけた。

21日、ワシントンでの記者会見でマスクを手にするトランプ米大統領=ゲッティ・共同

 米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、米国の1日の感染死者数は21日、6月上旬以来初めて1000人を超えるなど、再び急増傾向にある。同紙とABCテレビによる直近の合同調査で、新型ウイルス対策でトランプ氏を信頼できると答えた人は34%、バイデン氏は54%と20ポイントも差がついた。会見再開には、トランプ氏の焦りもにじむ。
 この日は、日ごろのバイデン批判はなりをひそめた。「消毒液の注射」による治療の提案など、4月末に会見打ち切りの原因となったような不適切な発言もなかった。
 一方で「米国の死亡率は世界のほとんどの国と比べても低い」などと強調。だが、米ホプキンズ大の統計によると、人口10万人当たりの死者数は世界で10番目。感染が拡大傾向にある国々の中ではチリに続き2番目に多く、被害を矮小化しようとする姿勢は変わらなかった。政府対策チームの中心人物だった米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長ら専門家は同席しなかった。
 さらに、前日ツイッターにマスク着用は「愛国的だ」と投稿、この日も持参したが、会見場への入退室時にさえ身に着けなかった。
 バイデン氏は東部デラウェア州で演説し、育児や介護の支援策を発表した。富裕層に恩恵が大きい減税を重視するトランプ氏に対抗、勤労世帯の福祉拡充に10年間で7750億ドル(約83兆円)を投じるとし、支持拡大を狙う。

21日、米東部デラウェア州で自身の経済政策について話すバイデン前副大統領=ゲッティ・共同

 「家庭は心理的にも金銭的にも苦境にあり、支援が必要だ」とも強調。新型ウイルスの影響で育児や介護の負担が増している世帯を念頭に「最も打撃を受けた彼らをどのように手助けするかトランプ氏は説明できないだろう」と批判した。
 子育てでは、就学前の教育を無償で提供するほか、中低所得層に税額控除を行い、負担軽減を図る。また、育児や介護をする人の再就職を支援し、今後10年間で300万人の雇用を増やすとも主張した。
 バイデン氏は今月、製造業の強化に7000億ドル、環境インフラに2兆ドルを投資する経済政策を発表。バイデン陣営は高所得者の増税などで財源を賄う意向だが、トランプ陣営からは「経済成長に逆行する政策だ」と批判が出ている。

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