GoToちぐはぐスタート 観光推進でもイベント緩和はブレーキ

2020年7月23日 05時50分

 政府は22日、新型コロナウイルス感染が再拡大する中、観光支援事業「Go To トラベル」を始めた。一方、感染拡大への懸念から8月に予定していたイベントなどの入場者数の制限緩和は先送りした。アクセルとブレーキを同時に踏むような一貫性を欠いた対応は、安倍晋三首相の説明不足もあり、国民に混乱や不安を広げている。(後藤孝好)
 首相は23日からの4連休に合わせ、前倒しで開始した「Go To トラベル」について、官邸で記者団に「国民の協力を得ながら慎重に経済活動を再開させる方針に変わりない。感染予防を徹底し、重症化を防いでいく」と述べ、理解を求めた。
 国内外の多数の観光客来訪を見込んでいた東京五輪・パラリンピックが1年延期され、政府は冷え込む旅行需要の起爆剤として予定通りの実施にこだわった。東京都発着の旅行の除外やキャンセル料の補償など直前まで二転三転したが、感染拡大につながるリスクを残したまま、事業を見切り発車させた。
 だが、首相は同じ日に開かれた新型コロナウイルス感染症対策本部では「東京を中心に新規感染者数が増えている」と明言した。プロスポーツやイベント入場者数の緩和を延期し、5000人までとする制限を8月末まで維持すると表明。観光支援とは対照的に、感染拡大の防止に重点を置いた。
 東京都から地方への感染波及を懸念し、小池百合子知事が都民に呼び掛けた不要不急の外出自粛には政府は否定的だ。「Go To トラベル」から東京を除外したにもかかわらず、菅義偉官房長官は「外出する際にも三密を避けるなど感染防止を徹底していただきたい」と外出を容認した。
 国民民主党の玉木雄一郎代表は記者会見で、政府の対応について「ちぐはぐで明らかに矛盾している。客観的な基準を示さないと、本当に大丈夫かなと多くの国民が思う」と批判した。

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