お帰り!箱根登山鉄道 台風被災から9カ月ぶりに全線復旧

2020年7月23日 20時49分
 4連休初日の23日、箱根登山鉄道(神奈川県小田原市)は、昨年10月の台風19号で被災し、運休していた同県箱根町の山岳区間(箱根湯本―強羅ごうら間8.9キロ)の営業運転を再開した。年間800万人前後が利用する箱根観光の大動脈が9カ月ぶりに全線復旧。沿道で多くの町民が電車に手を振り、新型コロナウイルス感染拡大で沈む観光地に笑顔が広がった。

昨年10月の台風19号で被災し運休していた箱根登山鉄道。9カ月ぶりに全線で運行を再開し、強羅(ごうら)駅付近で地元住民らに手を振って出迎えられるた=神奈川県箱根町で

 この区間は1919年、天下の険、箱根山に鉄道を敷く国内初の本格的山岳鉄道として開通。当時のバス運賃の1割ほどの低料金でスタートし、富裕層の観光地だった箱根を一気に大衆化させた。100周年の昨年、19号の襲来により約20カ所で寸断。23年の関東大震災や48年のアイオン台風に次ぐ長期運休となり、祝賀ムードを打ち砕いた。
 この日は、新型コロナを考慮して盛大なセレモニーは自粛したが、強羅駅近くの沿線には「お帰りなさい! 箱根登山鉄道」と書かれた横断幕を持った町民らが出迎えた。訪日外国人観光客専用ガイドの金子しんさん(40)は「待ちに待った日。少しでも応援したいと駆け付けた」と話す。3月以降はガイドの仕事がなくなり、今はコンサルティング関係の仕事をしている。

観光客らでにぎわう箱根湯本駅前の商店街

 同駅近くの高校に通うため運休前まで登山鉄道を利用していた同県藤沢市の大学生大木彩さん(19)は9カ月ぶりに乗車。「再開したら乗ると決めていた。車窓からの風景が好きで、アジサイも咲いていた。駅員や車掌さんが優しく、登山電車が大好き」と語り、駅員と記念撮影していた。
 箱根町の山口昇士のぶお町長は政府の観光支援事業「Go Toトラベル」について「期待しているが、コロナの先が見えないので少し心配もある。安全、安心を優先した上で箱根はいつでも待っている」と述べた。 (西岡聖雄)

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