【動画あり】トルコの世界遺産で初の金曜礼拝 キリスト教大聖堂をモスク化

2020年7月28日 14時50分
 【カイロ=蜘手美鶴】トルコ・イスタンブールの世界遺産アヤソフィアで24日、イスラム教のモスク(礼拝所)に変更されてから最初の金曜礼拝がエルドアン大統領らが参加して行われた。かつてキリスト教の大聖堂だったアヤソフィアはトルコ建国後、博物館として運用されてきたが、エルドアン氏が地位変更を決定していた。86年ぶりにモスクとしての運用が始まったことで、国内の民主派や国際社会からの批判が高まりそうだ。

24日、トルコ・イスタンブールで、集団礼拝のためアヤソフィアの周辺に集まった人たち=住民提供

◆モザイク画を布で隠す

 アヤソフィアの内部は、床に新たにカーペットが敷かれてモスク仕様となり、メッカの方角にあるキリスト教のモザイク画は布で隠されるなど「モスク化」が進められた。
 モスクへの地位変更については欧米など国際社会からは自制を求める声が上がっていたが、保守派の要望を受けエルドアン氏が強行。ただイスタンブール市内にはすでに3000以上近いモスクがあり、市民の間からは「礼拝時にほとんど人がいないモスクもあるのに、なぜこれ以上必要なのか」などと批判の声も上がる。

◆まさに政治ショーだ

 アンカラ大のイズハン・ウズグル教授は「モスクへの変更はエルドアン氏の支持固めの一環で、保守派と国家主義者を喜ばせるのが目的。まさに政治ショーだ」と批判する。
 アヤソフィアは年間約300万人が訪れるトルコ有数の人気観光スポット。今後は入場料100リラ(約1560円)は無料になるが、世界各地からの観光客の中にはキリスト教徒も多い。エルドアン氏は「イスラム教徒以外にも門戸は開かれる」と語るが、旅行業者からは「外貨獲得のチャンスが減る」とマイナスの影響を懸念する声が聞かれる。
 旅行会社で働くイズマイヤー・シリークさん(50)は「観光客は礼拝時間を考えて訪れないといけないし、こちらも礼拝を念頭にツアーを組まないといけない。モスクに変更しなければよかったのに」と話した。
 アヤソフィアは6世紀にギリシャ正教の総本山として建設され、オスマン帝国征服後の15世紀にモスクになった。1934年に閣議決定でモスクから博物館になったが、今月10日に行政裁判所が決定を無効とする判断を示し、再びモスクとなった。

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