学校に行きたくない子どもたちへ #絵本が君の背中を押す 書店員発、広がる紹介の輪

2020年7月25日 07時10分
 「学校に行きたくない」「友だちがなかなかできない」と悩んでいる子どもを励まそうと、一人の書店員がツイッターで始めたハッシュタグ(検索目印)「#絵本が君の背中を押す」が広がりを見せている。書店員や出版社の社員、図書館司書ら絵本と関わる人たちが「元気が出る1冊」を選び、コメントを添えて発信している。紹介された絵本は約200冊。心のこわばりをほぐしてくれたり、そっと寄り添ってくれたりする「友だち」のような本ばかりだ。 (長壁綾子)
 この企画を始めたのは、佐賀市の明林堂書店南佐賀店に勤める本間悠(はるか)さん(41)=写真。新型コロナウイルスの感染拡大による長期休校後に、学校や幼稚園などに行きたくない、と悩んでいる子どもがいることを知り、六月下旬、ツイッターで「絵本を紹介してほしい」と呼びかけた。
 すると、予想以上に多くの出版社や図書館司書、書店員らが反応し、絵本紹介や感想を寄せた。「#絵本が君の背中を押す」のハッシュタグを付けた投稿は約二百五十件で、紹介された絵本は約二百冊に上る。
 「そっと背中をさするような絵本や、明るく背中をポンッとたたくような絵本など、さまざまな立場の人が多様な絵本を紹介してくれている。私も知らなかった絵本を発見する機会にもなった」。ツイッターを見た人が絵本を購入してくれた、書店に特設コーナーを作った、という報告もあった。本間さんも働く書店でコーナーを作る予定だ。
 本間さんの三人の子どももそれぞれ「行きたくない」時期を経験。「自分の子育てを責めてしまい、悩んだこともあった。企画を通じて『自分を責めないで』と伝えたい。絵本が今悩んでいる子どもや親の力になってほしい」
 企画に参加したブロンズ新社の佐古奈々花さん(30)は「はっきりしたメッセージではなく、幅があり懐の深い、おおらかな企画。このハッシュタグの上に、たくさんの温かい絵本があるというのを知ることができるのもうれしい」と話す。

◆『おともだちになってね』作・岡本一郎 絵・つちだよしはる(金の星社)

 お友だちをつくるのって難しいと思っている子は、クマのフーに勇気をもらおう。ちょっと怖いつり橋を渡って、ケーキを届けるフーのひたむきな姿がかわいい。

◆『ふたりはともだち』作・アーノルド・ローベル 訳・三木卓(文化出版局)

 教科書にも載っている、がまくんとかえるくんの物語。友だちって、たくさんいなくてもいいんだよ。

◆『ねえねえパンダちゃん』作・西村敏雄(ほるぷ出版)

 最初の「あそぼ」「いいよ」は、大人でも難しい。恥ずかしがり屋のパンダちゃんのように勇気を出して、遊ぼうと声をかけてみると新しい世界が広がるかも。

◆『ころべばいいのに』作・ヨシタケシンスケ(ブロンズ新社)

 小学生以上の人におすすめ。みんなと仲良くなんてできない自分にストレスを感じてしまいがちな子へ。

◆『チャーリー、こっちだよ』作・キャレン・レヴィス 絵・チャールズ・サントソ 訳・いわじょうよしひと(BL出版)

 集団の中で生きられない苦しさを抱えたヤギさんの心を解かしたのは、目が不自由なウマさん。友だちが心を豊かにしてくれる。
 ※本間さんのツイッター投稿を編集

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