御巣鷹の尾根に遺族が慰霊登山 日航事故35年、美谷島さんも

2020年7月25日 11時36分 (共同通信)

「御巣鷹の尾根」で鐘を鳴らし、手を合わせる美谷島邦子さん=25日午前、群馬県上野村で


 乗客乗員520人が犠牲となった1985年の日航ジャンボ機墜落事故から8月で35年になるのを前に25日、墜落現場となった「御巣鷹の尾根」(群馬県上野村)で遺族と関係者だけが入山する慰霊登山が始まった。今年は台風被害と新型コロナウイルスの影響で遺族のための入山日程を7月と8月に分散。この日は遺族らでつくる「8・12連絡会」事務局長の美谷島邦子さん(73)らが登山道を歩き、尾根に立つ慰霊碑に祈りをささげた。
 雨の降る中、美谷島さんは日航関係者らと一緒にぬかるむ登山道を慎重に歩き、休憩を挟みながら約1時間かけて慰霊碑「昇魂之碑」に到着。10秒ほど手を合わせた後、「安全の鐘」を鳴らし、尾根に鐘の音を響かせた。その後、事故で亡くした次男健君=当時(9つ)=の墓標にお菓子、シャボン玉、新幹線のおもちゃを供え、線香花火をともした。
 美谷島さんは「今年は台風からの復旧など、上野村の皆さんのおかげでなんとか登れるようになり感謝している。コロナの影響もあり入山者は少ないが、山から安全を発信し続けたい」と話した。
 慰霊登山は例年事故当日の8月12日前後に集中しているが、今年は新型コロナの感染拡大と、昨年の台風19号による登山道被害の影響を考慮。上野村は7月20日から登山できるようにした上で、遺族と関係者のみが入山できる日程を7月25、26日と8月11~13日に分散して設定した。
 美谷島さんは85年から連絡会の事務局長として遺族の連絡役を担いながら、ほかの交通機関の事故や東日本大震災など災害による犠牲者の遺族らとも交流を重ねてきた。

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