熱中症に注意!高温多湿のマスク、こまめに外して 専門家呼びかけ

2020年7月26日 06時00分
 新型コロナウイルス禍の今年は夏でもマスクが必要だが、同時に熱中症も心配される。マスクの内側は高温多湿になりやすいため、長時間着けていると熱中症の恐れは増す。感染の恐れや他人の目を気にするあまり、炎天下でも着けっぱなしという人は多く、専門家や国は、人と十分な距離が確保できる場合はマスクをこまめに外すよう注意を促す。(奥村圭吾)

◆「人の目が気になって」

 4連休初日の23日、東京都内は雨が降り続き、都心でも一時は湿度が100%を記録するなど蒸し暑かった。取材に訪れた銀座も、行き交う人のほとんどはマスクを着けていた。
 美術館を訪れた埼玉県春日部市の女性(72)は「マスクをして歩くと、走っているように息苦しい。熱中症が怖いので、人との距離が離れていればマスクを外したいが、人の目が気になってマスクなしでは歩けないの」と額の汗をぬぐった。
 東京都三鷹市の会社員の男性(43)も「晴れた日は特にマスクの内側に熱がこもり、外すと汗が落ちる。通勤時も人とすれ違うことが多く、マスクを外せる場所は少ない」とこぼした。

強い日差しの中をマスク姿で歩く人たち=東京・銀座で(潟沼義樹撮影)

◆吐く息の温度、体温とほぼ同じ

 「今年の夏は新型コロナの流行と熱中症の季節が同時に訪れるので心配している」。日本体育大大学院保健医療学研究科長の横田裕行教授はそう話す。「吐く息の温度は体温とほぼ同じなため、マスクの内側は36度で湿度100%と、熱中症が起きやすい状態になりがち」と指摘する。
 東京消防庁のまとめでは、気温26~35度、湿度60~90%で、熱中症患者の搬送が増える。梅雨明けで一気に気温が上昇すると、体が暑さに慣れる「暑熱しょねつ順化」が追いつかなく、熱中症になりやすいとされる。今年は外出自粛に加え、梅雨の長雨で晴れ間がほとんどなかった。
 熱中症予防を啓発する「教えて!『かくれ脱水』委員会」の委員長で、兵庫医科大の服部益治ますじ特別招聘しょうへい教授は「体にとって、冬からいきなり夏に突入するようなものだ。例年以上に危険な状態」と、真夏の到来を控え警鐘を鳴らす。

◆筋肉量減で脱水症状になりやすく

 服部さんによると、外出自粛による運動不足で筋肉量が落ちると、体に保持できる水分量も減り、脱水症状になりやすい。さらに「マスク内は湿度が高く、のどの渇きを感じにくくなるため、気付かないうちに脱水症状を引き起こすケースもある」という。
 マスクの上手な着脱に加え、服部さんは、散歩や室内での軽い運動で汗をかき、暑さに体を慣れさせる▽マスクを外せる環境でこまめに水分や塩分を補給する▽環境省の熱中症予防情報サイトの暑さ指数(WBGT)をチェックして行動する―などを提案する。

◆コロナの症状と類似

 体の倦怠けんたい感や発熱、頭痛といった熱中症の初期症状は、新型コロナウイルスの感染症状と似ている。服部さんは「熱中症の可能性を消しておけば、コロナ感染を早期に疑うことができる。そうして医療の最前線への負荷を最小限に食い止めてほしい」と話している。

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