民主が首長の都市に治安要員派遣 トランプ氏「法と秩序」アピール

2020年7月26日 06時00分
21日、米オレゴン州ポートランドでデモ隊を取り締まる連邦捜査機関の治安要員=AP・共同

21日、米オレゴン州ポートランドでデモ隊を取り締まる連邦捜査機関の治安要員=AP・共同

 【ニューヨーク=赤川肇】トランプ米政権が、銃撃などの暴力犯罪や暴動に対処するためとして、野党民主党の首長が率いる都市で連邦機関の治安要員らを増やす方針を打ち出した。再選を狙う11月の大統領選で劣勢に立つ中、「法と秩序」を掲げた指導力を訴える狙い。ただ、全米で続く黒人差別や公権力に対する抗議デモの抑圧につながるとの懸念も出ている。
 トランプ氏は今月22日、殺人が昨年同期より5割多い中西部イリノイ州シカゴに、連邦捜査局(FBI)などから数百人派遣すると発表。西隣のミズーリ州カンザスシティーで6月に就寝中の銃撃で死亡した男児(4)の名を冠した「レジェンド作戦」の一環で、「増加する暴力と闘うために連邦と地元の資源を結集する」(バー司法長官)狙いという。
 トランプ氏は東部ニューヨークや西部ニューメキシコ州アルバカーキの治安悪化にも触れ、「私のビジョンは極左勢力が推す無法状態とは全く違う。流血の惨事を終わらせねばならない。必ず終わらせる」と訴えた。
 ただ、派遣対象地域からは懐疑的な見方が相次ぐ。抗議デモに伴う暴動から連邦裁判所などの連邦機関を保護するためとして、国土安全保障省の治安要員らが派遣された西部オレゴン州ポートランド。デモ隊への適正な手続きを欠いた身柄拘束や過剰な取り締まりが指摘され、州政府は「政治目的で対立をあおっている」(ブラウン州知事)と反発している。
 大統領選で民主党の候補指名が確実なバイデン前副大統領も21日、ポートランドでの取り締まりを「平和的デモを攻撃している」と問題視。「政治的利益のためでなく、誠実に法を執行する大統領が必要だ」とトランプ氏を批判した。

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