「政治に興味なかったけど…」慶大生が政策紹介サイト「PoliPoli」を作った理由

2020年7月27日 06時00分
「PoliPoli」の伊藤和真代表

「PoliPoli」の伊藤和真代表

  • 「PoliPoli」の伊藤和真代表

◆開発者・伊藤和真さんに聞く

 国会議員が投稿した政策に共感した有権者が、応援したり提案したりできるインターネット上の政策紹介サイト「PoliPoli(ポリポリ)」を考案し、運営会社を起業した慶応大4年伊藤和真さん(21)=東京都目黒区=に開発の経緯や今後の目標などを聞きました。 (川田篤志)
 ―ポリポリはどのように思い付いたのですか。
 「政治には全く興味はなかったのですが、19歳だった2017年の衆院選を見て、政治家が街頭で一方的に政策を訴える姿に違和感を覚えました。ネットが当たり前の時代になぜアナログなやり方を続けているのかと。そこで政治家と有権者が双方向でやりとりできるツールとして、アプリを作りました。インターネットというテクノロジーを使って政治の仕組みを変えようと思い、同じ大学の友人と開発しました」
 ―アプリはどんな内容でしたか。
 「まずは市民側が『喫煙所が汚い』など街の課題を投稿し、共感が集まると、登録している政治家を招待して議論する仕組みでした。約2年間で1000件以上の政策アイデアが話し合われ、地方議会を中心に政策決定に影響を与えました」
 ―政治家が政策を投稿する形式に変更した理由は。
 「政治的主張をあまりしない国民性もあり、市民側から政治に働き掛けるボトムアップ型の仕組みに限界を感じました。また、アプリはダウンロードしないと使えないという壁もあり、より多くの人に利用してほしいと、昨年12月にアプリ版を廃止し、ウェブ版に移行しました」
 ―政治家からの評価は。
 「国会議員からは『若者と知り合いになれた』『意見をもらえて政策がより良くなった』『不妊治療が大きな問題だと気付くことができた』といった声が寄せられています。利用者は実体験などのコメントを議員に送ったり、会いに行ったりでき、双方から喜んでもらっています」
 ―成功の理由は何だと考えますか。
 「使い勝手を良くするため、ウェブ上の設計デザインなどをどんどん変えています。政策目標や課題、実現に向けた進め方をイラストを多用して分かりやすくまとめるようにしています。ネット上で提供されている政治関連のサービスで成功例はあまりなく、勝ちパターンがない。とりあえずやってみることを大切にしています」
 ―参加議員はどう増やしているのですか。
 「知り合いの議員からの紹介を基本にしています。1回だけ利用してやめてしまうことは避けたいので。参加議員はネットに明るくて政策通な人が多い。ポリポリの新型コロナウイルス関連の特設コーナーを見て、私に直接連絡をしてくれる議員もいました」
 ―学業と仕事の2足のわらじは大変ですか。
 「ちゃんと両立していますが、時間がなくて正直死にそうです。ちょっとした空き時間や週末にオンライン授業を受けています。卒業したら当面はポリポリ1本でやっていくつもりです」
 ―ネットでの政治活動は定着すると考えますか。
 「ネットと政治の関係はまだ黎明期だけど、数年たてばネット利用者が選挙で1票を投じる中心的な層になってくる。ポリポリをあと10年粘り強くやれば、世の中を変える良いサービスとして定着すると思います。政治なんてダサいじゃんと思っていたけど、国づくりの大切な場所。社会の意思決定がゆがまないよう、ネットを通じて若者の意見を届けたいです」
 ―今後の目標は。
 「イデオロギーとか政党には本当に興味がない。どんな政党でも良い政策は良いし、良い政策をたくさん出した議員に投票する環境にしたい。社会課題にぶつかった時、それを解決する手段は政治だと気付かない若者も多い。そんなときはぜひポリポリを活用してほしいです」

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