東京は今でもファクスと手入力 コロナ情報共有システム2カ月たっても導入進まず

2020年7月27日 06時00分
 新型コロナウイルス感染者の情報を共有できるようにする政府の新システム「HER―SYS(ハーシス)」が導入されて約2カ月となるのに、感染者が急増する東京都と大阪府で利用されていないことが厚生労働省の調査で分かった。病院の病床や人員、医療物資を把握する「G―MIS(ジーミス)」の活用も7割にとどまる。政府が感染状況や医療体制を適切に把握できず、感染拡大防止策を速やかに実施できない恐れもある。 (村上一樹)

◆感染者3万人超なのに登録は1万1000人

 ハーシスは、医療機関や保健所が入力した感染者の氏名、居住地、症状、接触者などの情報を一元的に管理し、国や自治体と共有できる仕組み。従来、医師が手書きの感染者発生届をファクスで保健所に送り、保健所が手作業で入力していたため、大幅な省力につながると期待される。
 5月29日に稼働し、保健所を設置する都道府県や政令指定都市など全国155の自治体にハーシスを利用できるIDを発行。だが、7月22日現在、東京都と都内23市区、大阪府と大阪市など府内8市が利用していない。システムに登録された陽性者は21日現在で約1万1000人余にとどまり、累計3万人を超える感染の実態に追いついていない。

◆感染急増でデータ移行追いつかず

 東京、大阪で利用が進まない背景として、それぞれ独自の集計システムをすでに導入していることがある。急増する感染者への対応に追われ、ハーシスへのデータ移行作業が遅れている。各自治体の個人情報取り扱いの手続きにも時間がかかっている。
 医療機関の現状に関する情報を共有するジーミスは21日時点の利用率が約71%。システムには全国約8300の病院のうち93%の約7700が登録しているが、15日~21日の1週間で一度でも情報を入力した病院は、そのうち約5900にとどまる。

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