バックミラーの景色

2020年7月27日 07時58分

 新型コロナウイルスを巡って「感染拡大防止」と「経済活動」の選択を迫られた場合、世論調査では「感染拡大防止」を選ぶ人の方がずっと多い。
 テレビで「きょうも感染者数が多い」と厳しい口調でアナウンサーが伝え、「このままでは医療が逼迫(ひっぱく)する」という識者の声が毎日流れているのだから、当然だ。
 こんな時に楽観論を述べると、のんき者か乱暴者にみえる。でもこの先、本当に世の中はコロナでアウトになってしまうのか。
 われわれは先を予測しているつもりで、バックミラーの景色を、将来の姿だと勘違いしてしまいがちだ。
 バックミラーには何が映っているだろう。おそらく三月、四月の恐怖である。ゴーストタウンになった繁華街、医療施設の窮状、有名人の死亡など。罰則がないのに自粛でみんな家にいた。もう一度、あれがくるのでは、と悲観的な見方に傾きがちだ。
 しかし別の見方もできる。重症者は多くない。早々にワクチンができそうだし、治療も既存薬の組み合わせで何とかなる。アジア圏はおおむね死者が少ない。国内のウイルスは弱毒化しているのかもしれない。
 目先の感染者数に反応するだけではなく、長期的な視点から、復活への道を積極的に探そうというのが、今の私の提案である。 (吉田薫)

関連キーワード


おすすめ情報