シールドがクール 新しい演奏様式どう? 大田区の町工場+アート作家

2020年7月28日 07時20分

ペイントされたシールドを着けて演奏する(左から)大石竜輔さん、小南数麿さん、原田ありささん=いずれもノクチ基地提供

 町工場とアーティストが手を組み、見た目も追求したフェースシールドを装着した演奏映像を公開した。音楽業界では客同士の距離を取り、ステージと客席との間をアクリル板で仕切るといった対策が取られているが、もっと安全・安心で、かつクールな「新しい演奏スタイル」を提案したという。
 ギターと、タンバリンに似た中近東の打楽器「レク」、ピアノが織りなす軽快なリズムが響く。カメラが演奏者の手元から顔にフォーカスを移すと、色鮮やかにペイントされたフェースシールドとマウスシールドが。七月初め、ユーチューブで公開された動画「NEW NORMALを創造する」の一場面だ。
 郷ひろみのバックバンドも務めるギタリスト小南数麿さん(52)のマウスシールドには、京都在住の「SHIBUKIアーティスト」大下倉(たかくら)和彦さん(49)が描いた白と青の無数のインクのしぶきが躍る。打楽器奏者・大石竜輔さん(33)、ピアニスト原田ありささん(26)のフェースシールドには、それぞれ別の作家がアクリル絵の具などで花や鳥を描いた。

アート作家がペイントしたDOUBLE−Hのマウスシールド(左下)とフェースシールド

 「新製品のフェースシールドをかっこよくPRしたい」。大田区の樹脂加工販売会社「DOUBLE−H」の桑田健一社長(44)が六月初め、映像やウェブ制作のクリエーター集団「ノクチ基地」(川崎市高津区)の山本美賢(よしかた)代表(57)に相談を持ち掛けたのが、企画のきっかけ。
 桑田さんの話を聞いた山本さんは、すぐに旧知の小南さん、大下倉さんら、コロナ禍で表現の場を失ったアーティストの顔が頭に浮かび、一時間ほどで構想がまとまったという。撮影場所には、稼働率がコロナ前の一〜二割に落ち込んだ地元高津区のライブハウス「溝ノ口劇場」を選んだ。
 小南さんは、七月下旬のライブを取りやめた。ギターはマウスシールドをしていても違和感なく弾けるが、ボーカルはマイクに声が通らない。「ライブを再開できる形を模索したい」という声には苦悩がにじむ。
 「DOUBLE−H」では、企画に参加した三人のアート作家がデザインしたマウスシールドを八月五日から同社のホームページで販売する。
 文・小形佳奈
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