編集局外報部カイロ支局 奥田哲平「コロナ禍で見たエジプト」

2020年8月12日 12時04分

エジプトから1万キロ弱離れた東京新聞外報部に電話すると、 時折不可解な現象が起きます。
しばらく会話していると、私の方は通話が切れ、東京側ではそれまでの会話が繰り返される。
まるで誰かが録音して再生しているかのように。
電話をかけ直すと、東京側では「2つの電話で奥田が話している」となるのです。
「誰か」の正体は分かりませんが、時折牙をむくようです。
人権団体によると、7月初旬までに政府の新型コロナウイルス対策を批判した
医師10人とジャーナリスト6人が逮捕。
結果として一般市民が新型コロナ関連情報を得るのは
既存メディアよりもソーシャルメディアに頼る傾向が強いです。
ある世論調査によると
回答者の42%はニンニクを食べればウイルス感染による症状が治ると信じ
37%はアフリカ人は感染しないと考えています。
64%は中国製の人工毛髪は感染する可能性があると疑います。
信頼できるメディアがないことは
かえって政府が呼び掛ける感染予防策を国民まで届きにくくしていると感じます。
一方で、こうした玉石混交のうわさを「ヌクタ」(アラビア語でジョーク、小話の意味)
として会話に織り交ぜるのは庶民の楽しみ。
世論調査では、43%が「ウイルスはどこかの政府が作った細菌兵器だ」と思っていました。
おおらかで話し好き。コロナ禍を通じてそんな一面が見えました。

※執筆記者の所属は2020年7月22日時点のものです。

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